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* 地下プロレス最期の日 第3話

日時: 2017/05/26(金) 05:52:22 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

第3話です。
世界の誰よりも貴方を信ず。

それではどうぞ。
 
Page: [1]
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.1 )
日時: 2017/05/26(金) 19:01:44 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022



ヂェロニモとの死合の翌日。

レディ・ミィラは研究室に居た。

研究…否(いいや)。開発をしている物があるからだ。


それは…『麻薬』。


依存性が強く、よりブラッククロスが財を成す為の薬である。

そんな折りであった。


「邪魔をする。」


ある男がこの研究室に来訪した。


その男に対しレディはこう言う。

「久しいわね。」


そう。レディは知っている。

その男はかつて10年に及び共に研究をしていた男であるのだから。

そうだ、その男とは…!


「私の机はまだ残っているようだな。」


『Dr.劉』その人である!!



      ・
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      ・





・・・・




○超鋼戦機カラクリオー外伝

 クロガネの賛歌・番外 ー 地下プロレス最期の日 ー



 第 3 話 「 世 界 の 誰 よ り も 貴 方 を 信 ず 」






・・・・
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.2 )
日時: 2017/05/26(金) 05:54:37 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022






レディは特に驚きもせずに。

「助手用にね、今日は非番。忙しいんだけど要件は?」


と返す。


劉は…。

「フム…。」


その机の椅子に座る。

そして書き物をしながら。



「(死合の)日日(ひじつ)が決まった。」


「その日、ハンドレッドは死す。」


「そう。」


「それはお前達の最期の日だ。」



レディ。

「言ったハズよ。Dr.劉。」


「私達は決して敗れはしない。」



劉。

「レディ。」


「お前は賢いが盲目な女だ。」


レディ。

「だからこうして生きて来れた。」


劉。

「その先が奈落の底と知りつつも突き進み。」


レディ。

「ヒラリと飛び越え、更に先へ。」


劉。

「此度の底は、底無し広大。」


レディ。

「知れているモノとでも…?」


「貴方の底が…?」


  フゥー。


「ベタなアメリカンジョークを聞かされるよりも、ドン引きちゃうわ。Dr.劉。」


劉。

「フン…。」


  劉は書き物を止め…。


  レディを見据える。


  思い浮かぶのは…。


  10年前のあの言葉。


(『私だけの助手(モノ)』になるのだッッ!!!)


  その言葉が脳裏によぎるが…。



「もう。」


「『あの言葉』は問い掛けぬ。」




 ー そしてDr.劉は、静かに語り始める。




  「私はな、レディ。」


  「私の研究さえ出来れば良い人間だ。」



  「しかしな、レディ。」


  「私はそれと同(おんな)じ位、やり遂げなければならぬと思っている事がある。」




    ー それは。



    ー『自分を超える事だ。』





  「私は、あの男。」


  「ジ・ハンドレッドに、己の『写し鏡』を見た。」



  「ヤツもまた、信じるモノは『己一人』。」




    ー 故に強い。



    ー 故に『敗れない。』





  「だがな、レディよ。」



  「『この世に、Dr.劉は二人も要らぬのだ。』」


  「『だから悪魔の頭脳は…。


    その悪魔の肉体を憎み。


    そして、討 ち 滅 ぼ す 事 を 望むのだよ……!!』」




劉、立ち上がる。



「さらばだ。レディ。」


「お前達に訪れる、最期の日。」



「その時は、せめて。」


「お前の頭脳だけは綺麗に取って置いてやろう。」




  ー 劉は部屋を出ていく。 ー



レディ。

「………。」


「変わらない人。」


「けれども。」


「だから、私は…。」



「貴方に『尊敬の念』を、抱いて止まないのよ…。」




そしてレディは、目にする。


Dr.劉が書き記したモノを。



それは今、レディが進めていた開発資料。


わずかな時間であったのに対し。


助手が1日でこなせる速度のゆうに3倍は…!




レディ。

「本当に残念よ…。」


「劉…。」



   ・
   ・
   ・

   ・

   ・



この時、レディ・ミィラが開発をしていたモノ。
それは後に、コマンタレヴ・ラプソディの時に使用する『陶酔麻薬 ジャンク・ジャンク・ジャンキー(トリプルJ)』の原型。

そして、Dr.劉の書き記したモノは、その完成へと大きく近づく一歩へとなるのだ。





・・・・
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.3 )
日時: 2017/05/26(金) 06:00:56 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022




〇その夜 BAR


マスターは思った。

ガタいの良い二人だ。

一人は全身包帯。

もう一人は後頭部にバツの字の剃り込みを入れている。




後頭部にバツの字の剃り込みを入れている男。

ハンドレッドはこう言う。

「ワシは飲まぬ。」

「ワシは食さぬ。」


「だが、要件は聞こう。」



全身包帯だらけの男。

デビル・クラーケン…。

「………。」

「………。」



「……………。」


デビル・クラーケンは無言だ。



ハンドレッド。

「お前は、話す事が出来ぬのか?」


デビル・クラーケンは…。

「(コクリ)」

と頷(うなず)く。


ハンドレッド。

「ならば、書き記すが良い。」



デビル・クラーケンは。

「(コク)」

と再び頷(うなず)く。


  以下のクラーケンのセリフは、筆記したモノである。



クラーケン。

「お前の師は『巴 二十八(ともえ にじゅうはち)』だ。」



ハンドレッド。

「その通りだ。」



クラーケン。

「ワイアード・ヂェロニモを放り投げたジャイアントスイング……。」


「自転をする際の重心移動が、『地獄の大雪山』と酷似していた。」


「あの技を使用出来る者は、この世でただ二人。」


「一人は、『巴 二十八』。」


「そして、もう一人…。」



「その男の名は『 車 慶兵衛(くるま けいべえ) 』 。」



「俺の…。」


「父親だ…。」



   ・
   ・
   ・

   ・

   ・




デビル・クラーケンの筆記によるとこうだ。


父、車 慶兵衛は、巴 二十八と竹馬の友。
共に柔道に勤(いそ)しんでいたが、ふとしたことから、野球部に誘われた父は、その才を遺憾(いかん)無く発揮し、そしてのめり込んでいった。

巴 二十八と共に編み出した必殺投技『地獄の大雪山』。
車 慶兵衛は、それを必殺打法へと昇華をさせた『大渦潮打法(だい うずしお だほう)』にて、打つや飛ばすやの大活躍。

甲子園。プロ野球。そして、メジャーリーガー。


どんな球児も一度は夢見る、素晴らしい球歴。



車 慶兵衛は絶頂であった。

車 慶兵衛は最盛であった。


だが。

人は何時までも絶頂期が続く訳ではない。

穴がある。

ポッカリと深く。這い上がる事すらままならぬ暗闇の洞窟。


人は、その最盛が、華やかであれば華やかである程、深く暗い洞窟へと迷い込む。


車 慶兵衛もそうであった。


深く。暗く。這い上がる事の出来ぬ、人生の失態。



そして、車 慶兵衛の迷い込んでしまった。



その洞窟の名は。





  “ 野 球 賭 博 。 ”




  “ 八 百 長 行 為 に よ る 永 久 追 放 。 ”




・・・・





父は後悔した。

父は嘆き悲しんだ。


だが。それは犯してはならぬ、過ちであった。



もう……。

取り返しは付かない。



だが。

父は言っていたよ。


「俺はやっていない!俺はやっちゃあいないんだ!!」


ってな。



八百長は決定的なんだ。

証拠だってある。

音声も映像も残っているんだ。


だが父は口癖のように『俺はやっていない!俺はやっちゃあいないんだ!!』と言い続けた。



軽蔑(けいべつ)するだろう?

俺だってそうだ。

潔(いさぎよ)くないし…。


そう言う父を見る度に、俺は情けない気持ちになって、仕方が無かったよ…。


何というダメな大人だ。

過(あやま)ちを認めてこそ、新たなる人生を歩めるモンじゃないのか?


だがな。


俺は…。

その考えが『如何に青臭い考え』かって思い知らされたよ。





・・・・





父はな。

親父はな。


誰もがそう思うように。

誰もがそう望むように…。




『 息子の前では、 清廉潔白(せいれんけっぱく)な親父 で、ありたかったんだよ……。 』



だって、そうだろう?

誰だって。


誰だって…。


『 カッコを付けていたい。 』


『 愛する誰か 』と言うのが、居るモノだろう?




俺は…。

そんな親父の気持ちを…。



『親父が死んだ時、初めて気付いたんだ…。』




交通事故に遭って死んだのさ。


ダメ元で運ばれる救急車の中での話だ。


搬送(はんそう)される父は、こう言った。



『やってないって言ったトコロで、事実は変わらない事は解ってる…。』


『だがな…。俺はカッコ付けていたかったんだよ…。』


『愛する息子…。』


『愛するお前の前でな…。』



『あ〜〜あ…。』



『ダセェなぁ…。ダサくてダサく仕方が無ぇよ。』


『三枚目でも…。』


『カッコを付けて、生きていければって思ってたのによぅ…。』


『これじゃあ、とんだ…。』



『ヘタレ役だぜぇ……。』




それが父の最後の言葉となった。


俺は何が何だか解らなくなって。


そして、火が付いたように涙が溢れ出た。



痛い程の悲しみを覚えたからだ。


痛い程…。



『 親父の気持ちが、理解出来てしまったからだ。 』



   ・
   ・
   ・

   ・

   ・



* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.4 )
日時: 2017/05/26(金) 06:05:19 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022




ハンドレッド。

「これから死合う相手に、お涙頂戴の同情話。」


「あまり褒められたモノではない。特に、この世界ではな。」


「感慨深いお人好し程、『死んでいく事』になる。」




クラーケン。

「じゃあ……。」


「こうして俺の聞いてくれるアンタを、俺はどう評せば良いんだ?」



ハンドレッド。

「お前を創り上げた者への『敬意』だ。」



クラーケン。

「敬意?」



ハンドレッド。

「そうだ。」


「尊敬の念だ。」


「ヤツがワシ等の前に立ちはだかるのなら…。」


「ワシ等は。」



「『全力を持って、ヤツを打ち倒さねばならぬ。』」



「そう言う関係だ。」



クラーケン。

「ならば…。」


「俺がDr.劉(ヤツ)と出会う事となった。『この話を続けよう。』」




ハンドレッド。

「話を聞こう。」



   ・
   ・
   ・

   ・

   ・




俺は父の死を受け入れられずにいた。

悔しかった。悲しかった。

父がどれほどの苦しみの中、生きてきたかと思うとやるせなかった。


悔しくて。

悲しくて。


やるせない日々が続く中。


俺は…。


この。


『 泥ったるく、胸焼け、腸切れるような日々に、 幕 を下ろすべく ……。 』




誰もが出来て。


誰もが恐れる。


狂気の行動へと走らせたのだ。


そう…。


その行動こそが…ッ!



  「 『  世  界  を 、  敵  に  回  す  事  で  あ  る  ッ  ッ  !  !  』  」





・・・・




クラーケンは猛る!


「 『 フシャシャァァァ ア ア ア ア ア ア ア アアアア ア アア アアゥウウ ウ ー ー ッ ッ ! ! ! 』 」



その声にBARのマスターがビビる!


「〜〜〜〜ッッ!!?」


そんなBARのマスターを気にせずハンドレッド。

「ほぉ…ぅ。」



    ー 話は続けられる。





・・・・




親父がやった事が、事実で!


親父がやった事が、誰からも忌み嫌われる事であろうとも!!




「 『 俺 は、 親 父 を、  誇  っ  て  止  ま  な  い  か ら だ ッ ッ ! ! 』 」




  誰が、何と言おうとッ!


  世界が、どう善悪を判断しようとッッ!!




「 『 俺 は、 誰 か が、 親 父 を 悪 く 言 う 事 に ッ !



    我  慢  だ な ん て 、 出  来  な  い  か  ら  だ  ッ  ッ  !  !  』  」 




  だからッ!


  俺は、『世界を、敵へと回すッ!』




  そ れ が … … ッ !


  偽 り の 中 、 俺 を 愛 し 続 け て 親 父 を 『 子  が 、  誇  る  事  だ  か  ら  だ  !  !  』





「 『  俺 が 親 父 を …… ッ !




     愛  す  る  事 だ か ら だ ぁ ぁ ぁぁああああああ あ あ あ あ あ ーーー ー ー ッ ッ ! !  』 」





   ・
   ・
   ・

   ・

   ・




ハンドレッド。

「その後。」

「貴様は、ブラッククロスへと入り。」



クラーケン。

「Dr.劉に見込まれ、改造手術を受け。」



ハンドレッド。

「そうして…。」


「『その体』を得た…。」


「…か。」



クラーケン。

「ああ。」



ハンドレッド。

「………。」



クラーケン。

「………。」



「なぁ…。」



「ハンドレッド。」




ハンドレッド。

「なんだ?」




クラーケン。

「俺は……。」


「アンタに、奇妙な因縁を感じている。」




ハンドレッド。

「因縁…?」



クラーケン。

「10年前。」


「アンタが、Dr.劉が創り上げたメタリックサンキストを倒さなければ、俺はこの体を得る事は無かったし。」


「親父が…。巴と竹馬の友でなければ、俺はアンタを近感を覚える事は無かったろう。」




ハンドレッド。

「かもな。」



クラーケン。

「そんなアンタだからこそ…。」


「アンタは。」


「『この世に、存在しちゃあいけないよ』。」




ハンドレッド。

「…?」




クラーケン。

「俺は『世界を憎んでいる。』」


「坊主憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎いと言うが、神父もシャーマンも憎いつってるような憎さだ。」


「だから『友達になりたい』って思う人間が、いちゃあいけないよ。」


「『こんな世界でも好きになれる』。」


「そんな気持ちが、『 チッポケでも、あっちゃあいけないんだよ。 』 」




ハンドレッド。

「………。」




クラーケン。

「『信じるモノは、己一人なんでね。』」


「俺は。」


「アンタを『最期の日』を与えて…。」


「そして、アンタを『 葬 り 去 る … … 。 』 」


「そうして、俺は…。」


「『“改造人間”デビル・クラーケン』として…。」



「『この世界の 破 壊 を し て い く 。 』 」




ハンドレッド。

「………。」


「そうか。」




クラーケン。

「言いたい事はそれだけだ。」


「長話になっちまったな。」




ハンドレッド。

「………。」




クラーケン。

「一つ…。」


「答えてくれないか?」




ハンドレッド。

「………。」


「何だ。」

* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.5 )
日時: 2017/05/26(金) 19:03:29 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022


クラーケン。

「アンタ達は、Dr.劉に『尊敬の念』を抱き。」


「ヤツがアンタ達の前に、立ちはだかるのなら…。」


「アンタ達は。」



「『全力を持って、ヤツを打ち倒さねばならない。』」



「そう言ったな。」




ハンドレッド。

「ああ。」



クラーケン

「アンタは…。」


「一体。」


「『誰と一緒に戦っているンだい?』」



「教えてほしい。」




ハンドレッド。

「………。」


「妻だよ。」



クラーケン。

「………。」


「子は?」



ハンドレッド。

「おらぬ。」


「お互い……。」



「『そう言う体でな。』」




クラーケン。

「………。」


「そうか…。」



ハンドレッド。

「………。」


「ワシは……。」



「ワシ等は……。」


「『今、一体、自分達に何が出来るのか?』と。」


「選び。」


「淘汰(とうた)し。」


「それを実行(おこ)ない……。」



「『 こうして生きてきた。 』」



「その道すがら……。」


「悪路を歩み。」


「踏み入れてはならぬ場所にも、こうして足を踏み入れた。」




「『だが、後悔は無い。』」



「『自分一人しか、信じて生きていけぬ二人が。』」


「『こうして、二人して生きていく事に……。』」




  「 『  そ の 意 味 が あ り 。 』 」



  「 『  そ の 価 値 が あ る か ら だ 。 』 」





クラーケン。

「………。」


「熱烈なんだな。」



ハンドレッド。

「耳に障るぞ…?奴の嫌味トークはな。」



クラーケン。

「そう言うセリフがサラっと出る辺りが、熱烈なんだよ。」



ハンドレッド。

「絡むのだな。」



クラーケン。

「僻(ひが)みさ。」




    そして、デビル・クラーケンは。


    すくりと立ち上がり。


    百文字を見つめ。



    ゆっくりと。



    しどろ、もどろと、語り始める。





クラーケン。

「ジ……。」


「ハンド……レェェド……。」



「リ……。」

「ン………。」


「グ………。」



「リ…ン…グ、デ……。」




「リング…デ。会…オ……ウ。」




「ジィ……ィィイイッ!」



「 『 ハァァァンド…… … … レ ェ ェェェェ ェ ェ ッ ド ! ! 』 」




   それは、強い言葉であった。


   しどろでありながら。もどろでありながら。


   ハッキリした強い意志が、言葉となりBAR内に響くっ。




ハンドレッド。

「無論…。」


「死合うまでだ。」



「改造人間……ッ!」



「『 デ ビ ル ・ ク ラ ー ケ ン よ ! ! 』」



    ハンドレッドもまた答えた。


    強い言葉で。強い意志でっ。




クラーケン。

「(コク…ッ!)」



     デビル・クラーケンは頷(うなず)き。



     そして。



     デビル・クラーケンは……。




「 『 フゥゥゥシャァアァァァ! 』 」


猛り。



「 『 フシャァフシァフシャ ア ア ア ! ! ! 』 」


奇声を挙げ。



「 『 フゥゥゥフフフフ フ シ ャ フ シ ャ ヤ ァ シ ャ ァ ァアアアア ア ア ! ! ! 』 」


そして、おもむろに……。





  ボゴッ! ボゴッ! ボゴッ! ボゴッ! ボゴッ! ボゴッ! ボゴゥーッ!(『 自 分 自 身 を、 殴 り 始 め た 。』)



  ボゴッ! ボゴッ! ボゴゥーッ!(『 強 く 。』)


  ボゴッ! ボゴッ! ボゴゥーッ!(『 強 く 。』)

  ボゴッ! ボゴッ! ボゴゥーッ!(『 強 く ! 』)

  ボゴッ! ボゴッ! ボゴゥーッ!(『 強 く ッ ! ! 』)



   BARのマスターが、歯をカチカチ鳴らしながら、震えている!


   こんなガタいの良いミイラ男が、奇行に励んでいるのだ!!



  『 恐怖を感じぬ、 訳 が 無 い ッ ッ ! ! 』





「 『 オォォォオ オ オ オ オ オ ーー ー ー ー ! ! ! 』 」(デビル・クラーケンは殴る!デビル・クラーケンは殴る!)




「 『 オ ボ ボ ボボボボボボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ゥゥ ゥ ウウ ウ ウ ーー ー ー ッ ッ ! ! ! 』 」(殴り続ける!殴り続けるゥー!)




  歪んで!!


  ひしゃげ続けるその体駆は!!


  奇妙なまでに……!!


『 不自然(アンナチュラル)な弾力性に満ちていて……ッッ!! 』




『 軟 体 軟 体 ィィィィ ィ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イイ イイ イ イイイイイイ !!! 』





  ヴァッァァァアアアアアーーーーーーンン!!(それがッ! 改造人間たる、デビル・クラーケンが 超 ボデ ィ ィ イ イ イ イ ー ッ  ッ ! ! )






ハンドレッド。

「なるほど……ッ。」

「これが、Dr.劉が言っていた……ッ。」


「『その打たれ強さに 嗚呼、南無三だ と嘆き難儀する。』かッ!」


「良いだろうッ!デビル・クラーケンッッ!!」


「この死合ッ!」


「どちらに真に『耐撃たるか……ッッ!!』」



「 『 その身を持って、 思 い 知 ら せ て や る ッ ッ ! ! 』 」



    ハンドレッドは、立ち上がりッ!


    踵(きびす)を返して、こう言い放ったッ!!




「 『 リ ン グ で、 邂 逅(あ) お う !



  “ 改 造 人 間 ”デ ビ ル ・ ク ラ ー ケ ン よ ッ ッ ! !  』  」






  ー そして、ハンドレッドはBARを後にした。 ー




クラーケン。

「 『 オ ボ ボ ボボボボボボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ゥゥ ゥ ウウ ウ ウ ーー ー ー ッ ッ ! ! ! 』 」




    奇行を続ける、クラーケンを余所(よそ)に…。




マスター。

「お・置いてきゃないれぇぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!!?」





  ー マスターもBARを後にした。 ー





・・・・
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.6 )
日時: 2017/05/26(金) 06:11:15 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022






〇深夜 アントン辰巳宅


『魔妖香酋長(まようがしゅうちょう) 』プカハンタは侵入していた。

日本地下プロレス協会会長『アントン辰巳』の豪邸にである。


プカハンタには熱望している事があった。

それは愛する『ジ・ハンドレッド』の為に生きる事…。


6年前。


プカハンタはヂェロニモの妹と結婚するハズだった息子を、

白いタキシードのキザ男に殺された。

息子は死ぬ前に、白いタキシードのキザ男に何をされたのかを話した。


許せなかった。

許せなくて許せなくて仕方が無かった。


だから、プカハンタはかつての旧知、『Dr.劉』を頼った。


劉は『改造人間の素体になるのなら?』との条件を出し。
プカハンタ達はそれに『YES』と答えた。

劉はヂェロニモに『人体改造』を施(ほどこ)す。
ヂェロニモは『鋼線(ワイアード)』と呼ばれる、強靭な肉体を手に入れた。

動物の細胞を組み合わせる事により、飛躍的(ひやくてき)に向上した“身体能力”で……。
ヂェロニモは『米国・地下プロレス協会』のリングにて、幾度と無くその手で『対戦相手を 殺 め た 』。

それが研究データを欲する『劉』の望んだ“成果(データ)”であり。
ワシ等もまた『白いタキシードのキザ男』を探し出すのに『金銭』を必要したからである。

ワシもまた『一族秘伝の薬学』を劉へと伝えた。

その事柄が一因となったのか……。
日々完成へと進む『劉クリーチャー(RC)』の研究に、劉は愉悦(ゆえつ)を覚えているようだった。


殺戮(さつりく)に次ぐ殺戮。そして仇を探し出す『復讐の日々』…。

遂に『待ちも望んだその日』が訪れる。


白いタキシードのキザ男は『日本地下プロレス』の『常連客』である事を知る。
プカハンタ達は『この地、最早、用は無し』と、日本へ向かった。

米国・地下プロレスにて連戦連勝を続けたヂェロニモは、すぐにもさま『地下プロレスの絶対王者』との対戦が決まった。


そして……。

その日が『 訪 れ た 』。





・・・・





「レスラーへの賛歌 その8!」


「北斗の流星と呼ばれた、戦う国会議員へと!!」


「 ワ シ は 、 こ の 『 G I A N T  S W I N G  』 を 捧 ぐる ゥゥウウウーーーー ッ ッ ! ! ! ! 」



グォォオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオンオンオンオンオ ンオ ン ン ン ン ォ オ オオ オ オ ! ! !



「貴様の口内ごと顎を掴みッ!」


「ワシの剛力で持って、振りまわし続ければッッ!!!」



「その肺に溜め込んだ空気を、声帯を通して吐きだす事は出来まいッッ!!!!」




「 『 ちぇりぃぃいいいぁぁぁあああ あ あ あ あ ああああ ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」






グォォオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオンオンオンオンオ ンオ ン ン ン ン ォ オ オオ オ オ ! ! !



     剛力に任しッ!


     ヂェロニモをブン回し続けるは『地下プロレスが絶対王者ァー!!』


     その名も『百文字 豪介ッ!』



   『 “ ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド ”  で  あ ぁ ぁぁ あ ああ あ る ゥ ー ッ ッ ッ ! ! ! !  』




それを見やるはリングサイド!

魔妖香酋長・プカハンタは、驚きも慄(おのの)いたッ!!


   ー 馬鹿なぁぁあああああああ!!!


     Dr.劉が創り出した超肉体!

     更には、一族が英雄!
     かつてアメリカ大陸を『その足のみで横断をした男!!』

    “音を奏でる男”サンド・アパッチオが伝承の、必殺奥義『 ア パ ッ チ の 雄 叫 び 』を 屋 内 で 受 け て 、


     何 ぁ ぁ あ あ あ ああああ 故、 動 け る ぅ ぅ ぅ う う う う う う う う う う う う う う う ! ! ! ?



ああ、ほんの一瞬!

あと、ほんのもう一瞬あれば…!


『 断 固 相 殺 叫 技 !  ア パ ッ チ の 断 末 魔 ! ! 』


ヂェロニモが放たんとする『アパッチの断末魔』にて!

『白いタキシードのキザ男』もろとも、『 死 す 事 が 出 来 た 』の に … … ! ! !



    ー 止めろぉぉおおおおおお!!


    ー 止めろ止めろ止めてくぅれぇぇえええええええええええええええええ!!!!





 グゥゥウウウウウン!!(最後の一回転ッ!)


   ウォォオオオオオオオオオオ!!!!(剛力終着、遠心力となりてッッ!!!)




ゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!(観客席、目掛けてッ!!)




    ヂェロニモを、ブン投げッ! 放り飛ばしたぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!





「 『 ウ ラ ラ ラ ァァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! 』 」(ヂェロニモは叫び声を挙げるッッ!!)







    ドッッ ッッ ッ パ ァ ァァ ァ ァ ァ ァア アアアアア ア ア ア ア ア ア アアア ア ア ア ア ン ン ンン ン ! ! ! !




    ・
    ・
    ・
    ・

    ・

    ・


    ・



破裂音がした。


そして次の瞬間。


真赤な液体と……。

千切れて、爆(は)ぜた無数の肉片が飛び散って。


  霧散をする……。




ネイティブ・アメリカン。

『ワイアード・ヂェロニモ』と呼ばれる男は…。


  もう其処には『存在しなかった。』



そして、彼と。


魔妖香酋長とが、憎んで止まなかった…。


復讐と運命との決着を、望んだその男…。


『白いタキシードもキザ男』もまた…。



も う『 其 処 に は 』… … ! !



  ー 王 者 が 下 し た 絶 対 の 審 判 は 、


  ー 我 等 の 意 す ら も 汲 み 取 っ た『 粛 清 』。



静寂。

どよめきすらも起こらなかった…。




    ・
    ・
    ・
    ・

    ・

    ・


    ・

* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.7 )
日時: 2017/05/26(金) 06:12:52 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022


この時……。

この老婆の胸に去来をしたモノは。


それは、実に『熱いモノ』であった。


同志・ヂェロニモを屠り去った、憎きは絶対王者(ジ・ハンドレッド)。

だのに彼奴に『敬意』を覚えてしまうのは『 何 故(なにゆえ)に ? 』



  ー それは……。


  『 取り戻してくれたからだ 』 。


    こ の 老 婆 の … … っ 。



    一 族 の『 尊 厳 』 を … … っ っ 。



  ー そして……。


    何よりも。


    何よりも。


    何よりも……。


  『 ワ シ は 、 百文字(ハンドレッド)を、 愛 し て し ま っ た の じ ゃ よ … … っ 。 』




         ー それは、実に『熱いモノ』であったっ。


           女としての幸せなど、とうの昔に捨て去った、魔道を行く女、魔妖香酋長にして…っ。


           彼を想うと『 熱いモノが込み上げてくるのだ…っ!! 』



         ー 理解(わか)っている!


           彼には妻(レディ・ミィラ)がおり、その間に、踏み込めない事など!!


           だが…!


           彼等が月夜の下で、愛を語り合う『ロミオとジュリエット』ならば、


           私はその足元で咲く『月見草』でも構わない…!!!



             ー 私は彼の…!


               彼の側に居たいと思ったのだ!!



             ー 彼の体は恐らくは外法の手段に構築されている。


              『表の世界』で生きる事が『許されぬ体』なのだろう。


                       な

                       ら

                       ば

                       !



                ー  守 っ て や る ! 



                ー  守 っ て み せ る ! !



                ー  そ の 『 尊 厳 』を !



                ー  そ の 『 生 き る 場 所 』を ! !




    ・
    ・
    ・
    ・

    ・

    ・


    ・


プカハンタは思考する。

『アントン辰巳』。

ヤツがハンドレッドに何をするかは解らない。

そう、辰巳はどんな卑怯で汚い手でも使う男…。


今ここで殺しておかねば必ずや“害”となるだろう。


幸いにも辰巳の豪邸はセキュリティが甘かった。


ならば。寝室に『毒香(どくこう)』を焚き、毒殺(どくごろ)ししてくれよう…!!


(フヘラフヘラヒケェェ…!この部屋じゃな…!!)

(どぅれ、ドアの鍵を開け…。)

(ム?鍵はかけておらぬのか。不用心じゃな。)

(だが、これであとは『毒香』を焚きさえすれば…!!)


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


プカハンタは驚愕(きょうがく)する…!!


「な…!何じゃと…!!」

「その姿…!!お主が『アントン辰巳』なのか?」


「アハッ♪アハハッ♪♪」

「深夜でドッキリ。老婆の夜這い…ってかぁ?」

「丁度良いぜ。ハンドレッドに少し灸(きゅう)を据えてやりたかったんだ。」

「プカハンタ。お前。贄(にえ)になりな…!!」




    ・
    ・
    ・
    ・

    ・

    ・


    ・


〇翌朝 ハンドレッド宅


朝である。静かな朝。そんな朝が一変する。


玄関先、そこに『置かれていた者』は…!


レディ・ミィラ。

「ハンドレッドこれは…!!」


ハンドレッド。

「何と言う事をする…!!」


  そ

  こ

  に

  は

  !


 ー 両 手 足 が 千 切 ら れ 血 止 め を さ れ た 、

   魔 妖 香 酋 長 ・ プ カ ハ ン タ の 姿 が 在 っ た 。






* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.8 )
日時: 2017/05/26(金) 06:13:56 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

ーーーーーー





 ・・・続く。



* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.9 )
日時: 2017/05/26(金) 22:28:43 メンテ
名前: 春休戦

デビル・クラーケンにも意外な筋から因縁があった件。
それにしても。ある種の敬意を持ちつつ、それが故に相手を滅さずには居られないとは。
アントン辰巳の介入は、彼らにとって今は許容出来るものの、動き次第では邪魔だと感じそうだなぁ。

そしてそのアントン辰巳!プカハンタも驚くその正体がどう暴露されるのか。
つか、そういう事でプカハンタもサイボーグ化したのか・・・?


※余談
話は飛びますが、こちらも『クロガネの咆哮』直後の時間軸で一篇書いてみたくなりまして。
大筋の一つは『コングマンに恐怖を与えられるか?』です。細部は未だ練り込み中ですが。
んで、その流れの関係上『ケリーオの状況把握』が避けられなくなりました。(w

確認事項としては、まずは生きてる?もしや廃人までいっちゃった?が一点。
(あの自白剤の効力的に、廃人待った無しの可能性もありそうですしね。(^^;)
第二に、可能そうなら助けちゃってもOKですか?ですねー。

まぁただ、リアルに余裕が無い&プロット迷走でお流れ可能性もありますが。orz
この『地下プロレス最期の日』ラストまでに投稿できて無かったなら、そゆ事になります。
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.10 )
日時: 2017/05/26(金) 23:46:17 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

>>春休戦さん
デビル・クラーケンの因縁は明かされてみれば意外なトコロですよね。
巴二十八の関連って百文字と毒砲くらいなので、広がりがあっても良いかなと、
この物語の構想当時そう思ったので、こんな形になった記憶です。

敬意を持ちつつも、滅さずにはいられないのは、根底にジョジョがある感じです。
尊敬の念を持って相手を倒すと言う表現はジョジョで感銘を受けたし、
私が書く話ではそれが中心になる事が多いですね。ジョジョ凄い!

アントン辰巳の介入は厄介ですね。確かに言われる通り、
動き次第では邪魔だと感じそうですね。

そしてアントン辰巳の正体は如何に?まぁまずはデビル・クラーケン戦となりますので、
一先ずはお待ちを。プカハンタもすぐには明かされない感じですね。

>>ケリーオの状況把握
ケリーオ廃人にはなってない事にしますか。別に話を重くする必要のない場面だし。
助けちゃっても良いですよ。物語的な役割は十分果たしたと思うので、
存在を生かせそうなら生かしちゃってくださいな♪

作成大変かと思いますが『地下プロレス最期の日』ラストまでに投稿無かった場合、
私が今回決めた内容でケリーオの話書くのであんまり責任感じずに創作活動をしてみて下さい。
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.11 )
日時: 2017/05/28(日) 07:07:02 メンテ
名前: フィール

デビルクラーケンの確かなにんげんらしさ、そして凶暴性!劉シリーズである事感じさせるなあ。
後のナンバーズとかも程度の差はあれこんなのだった。
そしてプカハンター!!前回と今回の行為があるので制裁はしゃあないけど!
これはもう下半身をキャタピラに改造するしかない!(それは違うババアだ)
* Re: 地下プロレス最期の日 第3話 ( No.12 )
日時: 2017/05/28(日) 11:55:21 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

>>フィールさん
デビル・クラーケン、人間らしさと凶暴性を秘めていますよね。
言われてみれば劉シリーズらしいなぁ。Homunculusはそんな感じでしたモノね。
wiki見るとHomunculus、正史と外伝との違いが書いてて結構興味深い。
プカハンタは悲惨でしたね。下半身をキャタピラにするなら炎使いにならなきゃだw
にしても、どっちの婆さんもインパクト強いなぁw
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