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* 怪傑ミルットの挑戦・第四話

日時: 2014/08/17(日) 18:17:33 メンテ
名前: フィール

この物語には以下の要素が含まれます。

・うわあ・・・やってもうた
・様々な方面に土下座しなきゃならない展開
・物語中盤でこの有様だよ・・・

以上が気になる人はマジごめんなさい本当にこんな展開で
すみませんでした。(ガクブル)
そうじゃない人はゆっくりしていってね!
 
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* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.1 )
日時: 2014/08/17(日) 18:18:20 メンテ
名前: フィール

【凶骨鬼最終話・友情の終わり伝承の始まり】

崩壊しつつある基地内、三機の騎士型が激戦を繰り広げていた。
パイロットの誰もが達人級の腕を持ち誰が勝ってもおかしくない状況となっていた。
かつて彼ら三人は家族であり親友だった。だが、ユリウスという男を巡って三人は争う事が運命づけられた。
オスカーはユリウスの野望についていき彼の為にあらゆる手を使う事を選んだ。
カテリーナはどんな手を使ってでもユリウスの野望を止める事を選んだ。
ギャスディンはオスカーもカテリーナも打ち倒しこの事態を利用してユリウスを操る事を選んだ。

長時間に及ぶ技の応酬、そして遂に三人の内一人が脱落しようとしていた。

「武ってのは多面性を持ったものなんだ。こん中じゃあ、剣ならオスカーちゃんが一番、
その他の殆どの武術なら君が一番、ベッドの上で相手を丸裸にして殺す術なら僕が一番だ」
「義母上、こんな時に何を」
「こんな時だからこそだよ、いいかい、ウチの流派ってのは宇宙の全部の武を継承させなきゃならないんだ。
そして勿論の事だが、武を伝えるってのは書物や映像に残すだけよりも人体に染み込ませて残した方がずっといい。
ギャスちゃん、君はか弱い少女の格好をして大男に抱かれる様な武術を自分の身で再現できるかい?」

ギャスディンの脳内に過去の修行が思い返される。女性の衣装を着て敵に近づき倒す拳を修行していた時の事だ。
妹と二人でフリル付きのドレスを着てパンチラしながら語尾に「だわだわ」とつけながら踊ってみた。
それを見ていたカテリーナとトワイスが吐いた。

「私には向いてないのは否定できんな。そういうのはトワイスにやらせればいい。
あの出来そこないもそれぐらいは出来るだろう」
「そこなんだ問題は。ギャスちゃんが生き残れば君とトワイスちゃんとで大体の武術は次世代に継承できる。
問題は君がここで死んだ時だ。つまり、オスカーちゃんが勝利しちゃった場合はギャスちゃんが受け継ぐ分まで
トワイスちゃんが負担しなきゃならない。オスカーちゃん、トワイスちゃんとケブレ家の事を頼んでいいかい?」
「貴女の最後の頼みならば拒否できるはずもありません。トワイス君の事はお任せ下さい」
「うん、これでちょっと安心して死ねるかな。ユリウス様が宇宙を制してもケブレ家と流派は残るからね。
オスカーちゃん、トワイスちゃんは今でこそあんなだけど、ご飯をいっぱい食べさせて運動もいっぱいさせれば
すぐに立派に成長するから。あの子もダーリンやギャスちゃんと同じ戦闘民族だからさ」

その言葉を最後にカテリーナは力尽き、蛇頭(じゃず)は全機能を停止する。
残るは二人。ユリウスに対し、自分に都合よく捻じ曲げた事実を報告する事が出来るのはただ一人。

「・・・気に入らんな。これではまるで私が負けるみたいではないか」
「カテリーナ様には見えていたのでしょうね、私の勝つ未来が」
「言うではないか。義母上はこうも言っていたぞ、剣技以外は私が上だとな。
義母上が居なくなり、お前に集中出来るようになった今、剣の間合いには絶対に入らん」
「いえ、貴方にはどうあがいても剣の勝負で決着をつけてもらいますよ」
「ほう、秘策でもあるのか?それは楽しみだ。帰ったら武芸書にその秘策も記録しておいてやろう」




怪 傑 ミ ル ッ ト の 挑 戦 
第 四 話 『火 事 場 の ヤ オ 力(かじばのやおぢから)』

これはスーパーエージェントであるドリスが修斗大会にこっそり混ざった
アムステラ軍人を見つけ出し成敗する物語であーる!

◇◇◇
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.2 )
日時: 2014/08/17(日) 18:22:52 メンテ
名前: フィール

【激戦(ヤオ)!熱戦(ヤオ)!超弩級決戦(完全にヤオ)!】

1ターン目
稲荷:ローキック(筋力B)
ミルット:手四つ

(さてと・・・乗ってくれるかしら)

ミルットXの両腕が肩の少し上まで上昇し、パーの形で停止する。
それを見た稲荷仮面はローキックの構えを解き、同じ様に手四つの構えに移行した。

「さあ、まずはガチの力比べからの始まりだ!」
「やっぱり修斗ファイトといえばこれですよね!」

遠藤とフェミリアが全力でフォローする。ミルットXのクラス特性からいえば初手に手四つに
自分から持ち込むのは悪手でしかない。一戦経過で多少弱体化したとはいえ、
演歌花道とミルットXではパワーの差は歴然。組み合った瞬間に潰れないのはそれがヤオだからである。

「たあっ!」

ミルットXは演歌花道と手を組んだ状態を維持しつつ跳躍!
相手の真上で倒立のポーズを取り、そのまま着地しバックを取る。

「手四つからチョークスリーパーに移行した〜〜」
「ミルットXの特性故の軽業が見事に決まりましたね」

遠藤達も大変である。目の肥えた二人には分かっている、あんなバックの取り方が成功するのは
対戦相手の協力があってこそだという事をだ。
そして遠藤は少しだけ安心する。理由は知らないが稲荷仮面がミルットとヤオをして盛り上げてくれている。
大会前には考えられなかった事だ。

稲荷仮面はなぜミルットと息の合ったヤオが出来たのか?
それは打ち合わせがあったからだ。打ち合わせはいつ行われたのか?今ここで、手四つの時にである!

◇◇◇

【ドリスで学ぶカラクリ世界のプロレス】

「それじゃあ今回は手四つの勉強だ。お前、手四つが何か分かってるか?」
「そんぐらい分かってるわよ」

ドリスは両手をサッと上げて構えてみせる。

「こうやってお互いが手を組み合ってそのまま力比べしたり、バックの取り合いに移行したりする
序盤や中盤の試合運びで良く見られる光景でしょ?」
「分かってねーな、それでもスパイか?」
「何よ、間違った事は言ってないわよ。ググってもこれで大体合ってるし」
「ググるとかゆーな。もういい、俺とスガタで実際にやってやるから見てろ」

ブライアンが右手をゆっくりと頭の高さまで上げ、右手が頂点に達した後に左手を胸辺りに構える。
スガタがそれに合わせて両手を同じ高さに合わせリング中央でガッチリと組み合う。

体格で上回るブライアンが押し込もうとするが、スガタが倒れ込む勢いを利用して後ろに投げる。

「そぃ!」
「うおっ!」

ロープまで飛んでいったブライアンは勢い余ってリング外に落ちそうになる。
そこにスガタの水平蹴り。

「だおっ!」
「ノォォ!」

ブライアンはリング外に落下。戦況不利と見たのかそのまま場外を逃げ出す。

「うわ〜んこわいよ〜家に帰ってヨメとチュッチュしたいや〜」
「あははー待て〜」

スガタもリング外に降りて追いかけるが、ブライアンの逃げ足は速く、訓練室のドアの向こうまで
走り去ってしまった。スガタは仕方なくリングに戻りドリスに向かって叫ぶ。

「レフェリー、カウント!」
「え、アッハイ」

自分がレフェリー役と気づいたドリスはゆっくり目にリングアウトカウントを始める。
カウント15でブライアンが部屋に戻って来て、19でギリギリリングイン。
戻って来ると同時にスガタにジャーマンを決め戦況を五分に戻すと勝負を中断してドリスの方を見る。

「以上、これが手四つだ!」
「いや、手四つなんてオマケ程度で9割がヤオバトルだったんだけど。
一体いつあんな寸劇を打ちあわせしたのよ・・・あ」
「よーやく気づいたみてえだな。言ってみろ」
「手四つって要はリングで使う手話って事?」
「正解ですよー」

スガタは指を一本だけ出し、ドリスに向ける。

「これは真剣勝負しようぜっていうシュートサインです、でも指の向きを変えると真剣っぽく戦おうぜって言う
エセシュートサインになります。で、指二本でやればまた別の意味に、さーて両手を使ったならいくつの言葉が
生み出せるでしょうか?」
「本物の手話には流石にかなわねえが、両手の高さ、構えの順序、手の開き方でプロレスに必要な事は
一通り伝えられる。相手も両手を使って返事出来るしな」
「なるほど」
「よし、理屈も分かった所でこれから一時間みっちり手四つの勉強だ!本番で対戦相手が
協力してくれそうな奴だったら使ってみろ」
「その前にいい?ブライアン大尉がさっきやった手四つはどんな意味だったの?」
「ああ、あれは『クソ漏れそうだから場外へ投げて』っていうサインだ!」

ブライアンの両手は僅かに濡れていた。

「聞かなきゃよかった」

◇◇◇

【稲荷仮面の正体】

「このままちょっとお話しいいかしら?」

後ろに回り込んでチョークの姿勢を維持したままミルットは稲荷仮面に話しかける。
この体勢なら勝負が続いていると観客に思い込ませたまま一分ぐらいは二人だけで会話できる。

ミルットの出したサインは『耳打ちしたい』という比較的よく使うサインで、
現在の地球で異種格闘を経験する者ならまず解読できる。
つまり、このサインを即座に理解した稲荷仮面は素人でもなければ宇宙人でもない。
ブラッククロスあたりから情報を得て修斗練習を積んだアムステラ人というレアケースも考えられるが、
そんな人物が正体だとしたらもっと自然に振る舞うはずだ。
つまりは味方、いやそれでけではない、ミルットは彼の名も知っている。

「狐面を被ってここに来たのは、本物を挑発する為かしら?スア隊の隊長さん?」
「なるほど、やはり君も『こっち側』か。ああ、その通りだ。
これを見た本物の狐面はどう思っているだろうな。しかし、よく私を特定できたものだ。
流石は米軍の美人スパイだな」
「そりゃあ、観客席の最前列でガタイのいいタイ人が食い入るように見守ってるし、
中国の武術家と対戦した事のある達人クラスのキックと肘の使い手ってなると一人しかいないじゃない」

それに加えて、アメリカでのプロレス訓練中に何度かスガタの口からユールとの対戦話を聞いていた事も
ミルットが早めに正体に気付けた理由だが、それは黙っておいた。

(ステータスが更新されました)

キャラクター名:ユール・パンチャーメー(稲荷仮面)  
機体名:演歌花道(えんかのはなみち)
属性:中立・中庸   
クラス:にしむらくん

筋力:B 敏捷:A 体力:B 技術:A 判断力:C 精神力:A

『クラス特性』
にしむらくん:最大の英雄。パンチ力と耐久力が激増しチャージパンチを放つ事も可能だが試合毎に弱体化していく。

『スキル』
ムエタイ:彼の持つ格闘技術。スア隊修斗に専用チップを搭載した状態で初めて真の力を発揮する。
多大な時間をかけた鍛錬から導き出されるその動きは速くそして読みづらい。すっごいジャンプとかするし!
対人戦時に相手の判断力をワンランクダウンさせるが、修斗に乗っている時はその多くが使用不可。

『プロフィール』
プロ・アマ混在の一般予選枠からの出場者。勝ち抜け候補と思われていた五木の存在を利用し
目立たないままあっさりと予選を突破する。どこのジムに所属しているのか、後ろ盾は誰なのか、
誰もそれを知らない。ただ分かっているのは顔のマスクが日本のお稲荷さんがモデルだという点のみ。
大会でどんな修斗に乗りたいか聞いても答えなかったので、五木の機体を奪って参戦したという設定になった。
そしてクラス特性を見てもらえばわかると思うが、大会運営は本気で彼の優勝を阻止しに来ている。
その正体はタイ王国陸軍少佐にしてムエタイ界の英雄ユール・パンチャーメー。
ドリスと同じく任務でこの大会に参加しているが、目的は多少違うようだ。


「ひゅーほほほ、今大会一番の不安要素が味方だと確認出来て安心したわ」
「君の見た目も怪しさでは負けてないよ。で、アメリカの美人スパイさんはこれからどうするのかね?」
「そうね、とりあえずこのままゴング鳴るまで情報交換でも」


◇◇◇
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.3 )
日時: 2014/08/17(日) 18:24:11 メンテ
名前: フィール

【稲荷仮面誕生秘話】

「失礼します」
「うむ、座りたまえパン・トリー(タイ軍での少佐の事)」

その日ユールはタイ王国情報部に呼ばれていた。
自他共に認める頭の固い戦闘特化型の軍人である自分が何故、情報部からの仕事が来たのか。
甚だ疑問だがまずは内容を聞く事に専念する。

「先日、我々は狐面のアムステラ人なる者の情報を入手した。日本と中国の高名な武術家に
挑戦し、手合せした後に逃走している。その二件からしばらくして、今度はアフリカでレゼルヴェ軍人と
『ゼリー玉』との交戦が記録された」

アムステラの陸戦機水鋼獣、タイ王国情報部では見た目と特性からこれを『ゼリー玉』と呼んでいた。

「『ゼリー玉』の出現と前後してギガント28号が空戦型と接触、我々はこの敵の行動は
ギガントのパイロットの情報を得る為の動きだと推測、そして先の二件の狐男が関わっていると考えた」
「なるほど、私が呼ばれた理由が分かってきました。狐面の男は名だたる格闘家を狙って動いている」
「そう、もしかしたら次はパン・トリー、君がターゲットかもしれないし、これで打ち止めかもしれない。
どちらにせよ、こんなふざけた奴に主導権握られたままではいられんのだよ」

情報部局長は机の引き出しから狐の面を取り出してユールに渡す。

「目撃情報を元に作った狐面だ」
「貴方達情報部はこれを被った奴を追い詰める、そして私が今迄のファイター達の分も込めて徹底的に痛めた後
捕獲して情報を吐かせる、そういう事ですね」
「いや、恥ずかしながら狐面の男は我々の力だけでは見つけられないし、見つけたところで捕まえる事も難しい。
だからこれからパン・トリーにはこの面を被り、稲荷仮面として修斗大会に出場してもらう!」
「・・・は?」
「この面を被り、稲荷仮面として修斗大会に出場してもらう!」
「なんと、我が国の情報部はここまで無能だったか」

要するに、ユールが狐面の男と同じ格好で挑発し、相手の出方を待つという作戦だ。
狐面の男の情報収集力なら自分と同じ仮装をしたユールの事には間違いなく気付く。
とはいえ、気付いた所で狐面の男がタイ王国の予想通りに動いてくれる確率は非常に低く、
やらないよりはマシ程度の作戦でしかない。狐面の男がこういった挑発に乗りやすい性格なら別だが。

「頼む、この作戦を実行できるのはパン・トリーしかおらんのだ。それにこの作戦は修斗ファイトと
アムステラとの癒着を調査する事も兼ねておるのだよ」
「むしろそっちの方が作戦の本命になりそうな気がするのですが・・・、まあいいでしょう。
私は軍人であり、ナックモエだ。カラテ・カンフー・プロレスをつまみ食いして逃げ回る様な男が
どんな奴か気にならなくもない」

こうしてタイ王国情報部の工作支援の元、正体不明の戦士稲荷仮面は誕生したのだった。


そして色々あって現在。稲荷仮面は演歌花道に乗り、後ろから恋人の様に羽交い絞めにされた状態で
ミルットと会話。彼女が自分とほぼ同じ目的で来た米国軍人だと知ると、彼女を信用しチョークから脱出する
のに手こずっているフリをしながら情報交換した。

「・・・という事情でな」
「ひゅーほほほ、呆れた話ね。タイとアメリカの情報機関がお互いの介入を知らないまま別方向から同時に捜査、
状況に最初に気付いたのは道化を演じる私達。いつから私達は映画の世界に迷い込んだのかしらね」
「ふっ、確かにこの状況は映画の様だ。ならばラストシーンはどうなるのが好みだね?」
「そうね、これが映画なら大会参加者の中に本物のアムステラ人がいて、それを私達がぶっとばす!」
「それはいい、私も是非とも本物の狐面と戦いたいと思っていたところだ」

二人の希望は間もなく叶う。もっとも、今回の敵は狐面の男ではないのだが。

◇◇◇

【タリーナの悪い予感】

「ミルットさん凄い、あの稲荷仮面相手にチョークで攻め続けている。
でもダメージは入って無いなあ。稲荷仮面はいつでも脱出できそうだけど様子を見ているのかな」

ハンドサインの意味を理解出来ないタリーナはモニターから見える状況から推測するしかない。
仮にタリーナが手四つを利用したサインを知っていても、このモニターのサイズでは気づけなかっただろうが。
戦える精神状態じゃないと判断されたタリーナは意図的に迷宮に取り残されていた。

「はむはむ・・・このケーキ美味しい。今日ここに来てよかったと思える事がまた一つ出来た」

ソファーに座ってチョコレートケーキを食べながら試合を観察していると少しづつ気力が戻って来る。
迷宮内は意外と至れり尽くせりだった。二回連続で勝負に出なかったら失格というルールが無ければ
このままここにずっと居たいと考える程度には快適だった。

「えーと、ミルットさんのチョークがポイントになってないのはチョークが緩いから。
でも稲荷仮面は脱出しない。稲荷仮面はキャベスさんとの勝負まで力を温存しているのか、それとも・・・、
そうだ、稲荷仮面は実はアメリカ軍人でミルットさんと組んでいるんだ!!
だから二人はあんな上手にヤオが成立しているんだ!」

惜しい。

「うんうん、稲荷仮面の正体が密命を受けた軍人なら格闘団体に正体を明かさないまま強引に
参戦ぐらい出来るから、ってそもそも何で軍人がこんなヤオ大会に出てわざわざそんな事を!?」

タリーナは名探偵ではない。この作品の推理役は怪傑ミルットなのである。
情報も圧倒的に足りない現状、タリーナは稲荷仮面の正体には決して辿り着けない。

「はあ・・・考えても悪いイメージしか湧かないし、もう稲荷の謎は一旦置いておこう。
カナディ先生に受けた恩を返す事を考えないと。せめて一人撃破、次にゲッパーさんと当たる事ができれば
そこそこ活躍しつつ退場できそう。その為にも研究&研究、チャンネルちぇんじ!」

モニターを切り替えゲッパー対ジェーンの試合が映し出す。

「ゲッパーぁ(笑い声)、祝・プールリング到着!俺様の華麗な水中殺法で落ちな!」
「させてたまるもんですか、これぞ必殺、『とある乙女の閃光魔術(シャイニングウィザート)』!」

プールリングの上では、でっかいビート板にまたがって、『やまだの術』でビート板ごと自分を浮上させながら
右へ左へと飛び回るゲッパーとそれを飛び膝蹴りで迎撃するジェーンの戦いが繰り広げられていた。
子供達大喜び、タリーナ大ガッカリ。

「こんなヤオ勝負何の参考にもならないじゃないですか、やだー!」

ジェーンのライフが0にならない様にゲッパーが気遣ってるのバレバレだった。
ジェーンはスターだから保護されている、自分がゲッパーと戦う時はガチに近い勝負を選んでくるだろう。

「ああ〜、これはもう最後の勝負もヒントになるかもとか期待しちゃだめかも。チャンネルちぇんじ〜」

三つ目のリング、ここにいるのは当然キャベスとマルー。

「ん?ここはちょっと期待してもいいのかな」

稲荷とミルットはバレない様にヤオ試合をしていた。
ジェーンとゲッパーは子供騙しのバレバレのヤオをしていた。
だが、キャベスとマルーの間には少なくともモニター越しにはヤオの雰囲気は感じ取れない。
マルーの機体が木刀を構える。

「あ、あれ?あの構え一体」

モニターに映された魔修は『ぼうじゅつスペシャル』とは違う構えを取っていた。
木刀を水平にし、草を刈る様に相手の武器か手首を切り落とす事を主眼に置いた構え。
タリーナに悪寒が走った。それは例えるなら、生まれてはならないモノが地の底から這い出てくるのを
目撃した時の様な嫌な感情。誰かがマルーを止めないと取り返しのつかない事になる、そんな予感がした。

◇◇◇
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.4 )
日時: 2014/08/17(日) 18:28:33 メンテ
名前: フィール

【キャベスも考える】

1ターン目
キャベス:様子見(敏捷やべえ)
マルー:古流騎士剣・草薙(敏捷C、技術D)

「行くぞ」

マルーは魔修に装備した木刀を横に構えさせる。刃が無く重いこの木刀は斬撃に適さない。
そんな事知るかとばかりに横に薙ぎ払う。

「おっと」

爺3マイルドは最少の動きでこれを回避。

「かかって来い、練習にならない」
「うっさい、今ちょっと考え事しとるんじゃ」

マルーが次々と中段の斬撃を繰り返す。それを最小限の動きで避けるが反撃もせず、
腕を組んだまま考え中のキャベス。

「こ、これは・・・達人キャベスの刹那の見切りだ!」
「プールリングでの派手な戦いもいいけどこういうのもファイトの醍醐味ですよね!」

遠藤さんフェミリアさんマジ必死。稲荷以外ならサボれと命じた覚えはない。
ちゃんと戦いになって欲しいと願いつつ全力フォロー。

2ターン目
キャベス:まだ考え中(敏捷やべえ)
マルー:古流騎士剣・根堀(敏捷B、技術D)

「こう、だったはず」

マルーは魔修の構えを下段に修正し、連続で斬りあげる。

「おっと、ちっとはやるの〜」

だが、これもキャベスには届かない。軽く跳躍すると木刀の先端に飛び乗ってみせる。

オオオオオオオオオォォォォォ!!!!!!!!!!

神業を目にした観客から歓声が漏れる。

「すっげぇぇぇぇぇ、すげぇぇぇぇ、いくら爺3マイルドのスペックが高めでもこんなん物理的に無理だっての!」
「遠藤さん!ちゃんと実況して下さい!でもすっごい、なにこれぇー!」

今度は逆に盛り上げすぎである。この大会の主人公はキャベスではないのに、
こんなにハードルを上げられたら後々皆が困る。
でもそんな事情は全く気にせずキャベスは考え続けていた。自分の感じている違和感の正体について。
木刀の先端からぴょいと飛び降りて考え続ける。

「んんー、ワシは稲荷仮面を倒すのが目的でここに来た。稲荷ってのが一番強いって話を聞いたからじゃ。
でもなあ、稲荷より強い奴がこの場におって、そいつが大会の望む通りに動かんかった場合はどうすればええ?」
「さっきから何をしている、何を言っている」
「身分を偽ってこの場に来たのがおる。そいつは本当は稲荷以上に滅法強くてワシでないと止めれん。
そいつはまだ今ん所大人しくしとる。ならば今の内にぶっ倒すべきか、本性を現したのを見届けてから
動くべきか。ぶっちゃけ、どうせやるなら本気の方がええのう」

ブツブツ呟きながら距離を詰める。マルーは中段と下段の薙ぎ払いを繰り返すがその全ての斬撃をかいくぐり密着する。


3ターン目
キャベス:質問タイム・・・からのチョイヤぁ!(敏捷やべえ、技術えげつねえ)
マルー:古流騎士剣・葉落(敏捷B、技術B)

「だから、さっきからマトモにたたかわず、何を」

上段の構えから連撃、太刀筋はさらに鋭さを増していく。

「てめーにも関係ある話じゃよ。おい小僧、そのヘルメットの下でなーに考えて戦ってやがる?
人に戦い方について文句言ってるが、てめーも随分おかしいって話じゃよ」

キャベスはさらに踏み込み、斬撃の隙間から抜き手を命中させる。
魔修の胸部が赤く点滅しライフブレイクの音が鳴った。

「・・・くっ」
「てめー、さっきから何かを確認する様な動きしやがって。ワシの聞いたマルーってガキと目の前のてめーは
どうも一致しねえんだよ」
「それは、爺さんの考えは合ってる。今日のマルーは過去のマルーと同じじゃない」

マルーはキャベスの問いかけに応える。ヘルメットの奥の表情は誰にも見えなかった。

「一人の剣士がいた、彼の命は尽き、彼の意志は尽き、彼の正義は尽きた。
だが、彼の技はここに残る。ここに、この身に残す。彼の死の責任、それはこの身にあるのだから」
「悪い、何言っとるのかさっぱりわからん。取りあえず本気でこいや、てめーはそんなんじゃねえだろがよ」

(稲荷仮面がラスボスでない事が読者視点で確定しました。真ボスのデータを一部公開します)

キャラクター名:トワイス・ケブレ  
機体名:???
属性:???  
クラス:???

筋力:A 敏捷:A 体力:AA 技術:すげえ 判断力:AA 精神力:B〜Z

『クラス特性』
???:現在乗っている機体による補正。もっとも、彼にとっては誤差程度のものだが。

『スキル』
衆手活性:彼の持つ流派の名であり、彼の生き様だ。未知の戦闘術を積極的に観察し、
それを習得しようとする。また、既に己の技術として取り入れ済みの戦闘スキルを相手が使ってきた場合、
お互いの技術値の差によって無効化、あるいは軽減する事が出来る。
(現時点では、アムステラ産のほぼ全部の戦闘技術の他、地球でこれまで対戦した相手の技、
そして共闘した黒天使隊の技に対応可能)

戦闘民族(弱):僅かに流れる戦闘民族としての血。強敵に出会った時、精神力を除くステータスが上昇する。

悲運:戦場に立つと一定時間ごとに発動し思わぬ強敵とのエンカウントを引き起こす。
彼の背負った運命は重く険しい。黄金のツメを装備した武道家級に試練が降って湧いてくる。


『プロフィール』
人にあんな事はやめて欲しいって言っておいて、こんな大会に変装して混ざってる快王だった。
まあ彼にも理由があってこんな事になったのでそれはもう少し先で説明するとして、
現状、彼はかなり追い詰められている。己に流れるケブレ家の血と意志、そしてミルット達軍人や
キャベスが目を光らせているという事実が正体を隠し続ける事を困難としている。
がんばれ快王、大会をぶっ壊してしまいルルミーと同レベルの馬鹿と言われる事だけは避けるんだ!

これはスーパーエージェントであるドリスが修斗大会にこっそり混ざった
アムステラ軍人を見つけ出し成敗する物語であーる!(強調)

(続く)
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.5 )
日時: 2014/08/17(日) 18:32:00 メンテ
名前: フィール

今回はここまで。
うん、大丈夫だ。この展開でも今迄の流れや影長休暇シリーズとの矛盾は何もないはず。
でも予告編の時点では皆が稲荷仮面は影長さんと思って読んでただろうし、
どうもすみませんでしたー!!!(土下座)

次回はマルー対キャベスの続きと三回戦の組み合わせの予定です。
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.6 )
日時: 2014/08/18(月) 00:21:42 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?凄いッ!!!まさか、こんな展開になるだなんてぇー!?
稲荷仮面の正体が、ユールだったなんてなぁ〜。影狼隊隊長とばかり思っていた。
そしてマルーはマルーじゃなくて、実はトワイスだったなんて!!?うーん、驚愕が先に来る!!!
『とある乙女の閃光魔術(シャイニングウィザート)』とか笑った箇所も多いけど、
この事実の衝撃の強さは大きいな。次回が凄く楽しみだぜぇー!!
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.7 )
日時: 2014/08/19(火) 18:27:03 メンテ
名前: 春休戦

なるほど!『勝ったらとはいえ、正体教えて良いんか?』とか『何で警告するねん』とか『修斗では大半の技が使えない?』とか
『あら、キャベス避けるの?』とか『え、マルーにそんなオーラ感じるか?』とかの諸々の疑問が氷解!
・・・と。劉さんのかーちゃんみたいな事を言ってみる。(www

で、三つ巴?ジョカが居ない原因も、オスカーの科白を鵜呑みに出来ない以上、疑ってかかるべきか?
それと、あのオスカーが打算も無くカテリーナの遺言に従ったとも思えないしなぁ。
つかギャスティン、ユリウス殿下を操ってって無茶な考えだなぁ。逆に駒にされるのがオチくさいぞそれ。

そしてトワイスちゃんさま。狐面が影長じゃ無い事には武術的な動きで気付けたのかな?
LPが残り2点になった現在、現在の試合がどう決着が付くのかにも期待するとこだけど。
・・・と、そら良いけど精神力がB〜Zて、振り幅がめっちゃでかいな。(www
* Re: 怪傑ミルットの挑戦・第四話 ( No.8 )
日時: 2014/08/20(水) 03:13:25 メンテ
名前: フィール

コメありがとうございます。
>稲荷=ユール
正直に言いますとこの展開がやりたくて怪傑ミルット書き出したのです。
狐面のかげちょーがあっちこっちで悪さするからその内逆手に取られないかと
ハラハラして読んでて、じゃあ逆手にとったネタを自分で書いてみようと。
という訳で稲荷仮面の正体発覚で前半ラストにして前半最大のどんでん返し〜。
後半からはドリスとユールが快王を見つけられるか、そして本物の狐面は来るのかを
書いていく予定です。

>今回のオープニング補足
ジョカは三つ巴時点で既に亡くなっています。
彼女は実力こそ三人と互角でしたが、政治や野心の為に知り合いや家族を殺せない側の人間だったので、
この事件を利用して自らの計画を進めようとしていた三人にとって一番厄介な人物でした。
お互いの本音を聞いて自分以外全部が敵と認識、そして争いを止めるであろうジョカはもう居ない。
これらの条件が揃った事で三つ巴が発生したのです。
ジョカは最後まで「悪いシュババーンを倒せばまた皆一緒」と思いながら、予想だにしない人物の奇襲で亡くなりました。

>ギャス兄さん、ユリウス様を操ろうとするなんて無茶です。
ですよねー。ユリウスを直接倒すという選択を誰もしていない時点で
オスカーもカテリーナもギャスディンもユリウスに屈しています。
ギャス兄さんはその事を絶対認めないと思いますが。
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横軸の値 例:2009,2010,2011,2012
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カンマ区切り数値 例:1,2,3
横軸の値 例:2009,2010,2011,2012
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横軸の単位例:年度
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