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* 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10

日時: 2014/07/30(水) 06:49:40 メンテ
名前: 春休戦

やっとでけたー。
トワイス快王vs影狼隊隊長の試合を描いてみたくなったのが発端で、色々と手合わせしまくりましたが。
ようやくここまで辿り着きました。さて、試合の展開は如何に。(^^)
 
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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.1 )
日時: 2014/07/30(水) 06:50:26 メンテ
名前: 春休戦

〜 アムステラ基地・アフリカ大陸南部支部 食堂 昼食時 〜


 ズ ル ー ッ ! ズ ズ ズ ズ ! ズ ビ ズ バ ッ !


 食堂の一角で、豪快に山盛りのパスタを平らげている音がする。その音の発生源は、リノア隊のグーチェだ。

「 ・・・ ふ ー 、 ご っ つ ぉ さ ん !! 」
「あらっ? グーチェ、珍しく小食じゃない」
「そりゃ控えもするわよ。脂の乗り切った快王相手にまねっこ隊長がどこまで出来るか観戦するのに、満腹で眠気差してたら困るでしょ」
「なるほど・・・って、噂をすれば何とやらよ」


 リノアが指差す先は、食堂へ入って来る影狼隊隊長、バドス、ルカスの姿。先に仮眠を取ったので、遅めの昼食を摂りに来たらしい。
 少し遅れて入って来たのは車椅子に腰掛けたバトゥロ。それと車椅子の動きからして、姿こそ見えないがシエンヌも居る様だ。


「おー、探す手間が省けたな。なぁなぁ、勝敗は結局どうなったよ?」と、バドスがバトゥロ背後の虚空に向かって声を掛ける。
「あぁ、ルカス相手の分だよな。えぇと俺の28勝16敗・・・で、合ってたかな?」
「うむ。それで合っている」「あ、はい。そうですね。そうなります」と、バトゥロとルカスがシエンヌの言葉の裏付けをする。

「って事は・・・12セット差か。12,000アムルになるな」予期してたとはいえ、少々痛い出費に顔を顰めるバドス。
「いえ、違いますよ。確か初回は数に入れてないから13セット分ですね」そこへ生真面目に訂正するルカスの追い打ち。
「ちぇっ。余計な事を言わなきゃバレねぇだろが?」「フッ、諦めろバドス」それを聞いて苦笑するバドスとニヤリと笑う隊長。


 そして各々席に着き、食事の注文。リノアとグーチェも食後の一服でそのまま近くに居座っている。
 まぁ各人、言いたい事、聞きたい事が色々とある模様なのだが。さてどれをどう話すかと考えてる間にも食事は進む。

 ちなみに他の基地隊員達は、少々遅い時間なので周囲にはあんまり居ないし、彼らにもさして興味が無い風情ではある。
 まぁ上司が上司(ボギヂオ)なだけに、多少奇妙な友軍・来客などにも慣れてしまったというのはあるのかもしれない。


「・・・しかしまー、全部で44セットかよ。もうちょいとやってる気はしたんだがな」
「あぁ。後からグーチェさんも参戦されたので、それ以降の分は賭けのセット数から抜いてます」
「なるほど。まっ、傷口拡げずに済んだと思えば御の字だぁな」


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 そんな中で。実にさりげなくバトゥロが影狼隊隊長に問い掛ける。

「地球出身の私は、君達の事情に疎くてね。そこで一つ尋ねたい。ユリウス殿下とはどういう御方なのだ?」


 ユリウス派とは一歩離れている風情だが、かといってヒルデガード派でも無さそうな。影狼隊の立ち位置が気になるのは当然である。
 これは外様であるバトゥロならずとも、闇の部分にも関わったリノア達にとっても、これからどう接するかを考えると知りたい処。
 リノアとて、どう問い掛けるかと考えては居たのだが。まさかバトゥロがこんな場所でこんな直球を投げて来るとは予想外であった。


 だが影長は、この手の質問が予想外という訳では無かったのだろう。割合あっさりと答える。

「ふむ。言うなれば太陽の如き御方だな」「・・・太陽、か」


 しかし、続けて皮肉な笑みを浮かべた影長が言葉を続ける。

「だが、イカロスの轍を踏まぬ様にな。ユリウス殿下が持つ覇者の気質は、それだけの影響力を持つ」「・・・」
「それと日光を直視すれば、眼を痛めるしな・・・まぁこの辺は言うまでも無かったかな?」


 手の中で精密機械らしき物を弄びつつ、影狼隊隊長の皇族に対するコメントは更に続く。

「ついでに言えば、地球方面攻略司令官のヒルデガード様は『最善最良』を求める御方とでも言うべきかな」
「理想に溺れず現実を乗り切られるならば名君になるだろう。だがその信念故に、これから進まれる道は険しかろうな・・・」


 バトゥロはその返答を聞き、沈思黙考する。

(「思った以上に率直な返答だったな。ギリシャ神話のイカロス・・・太陽に惹かれて自らの破滅を招いた男・・・」)
(「影狼隊とその背後関係は図り難いが、現状は様子見か。どうやら向こうもまだ、積極的に干渉する気は無さそうだ」)
(「それにしても監視の妨害装置を常備してるとは用意周到だな。さて、ドクトル・ベイベー様は大丈夫だろうか・・・」)


 脇でこの会話を聞いていたリノアも、同じく沈思黙考。

(「随分とまぁぶっちゃけたわね。そりゃあ私もオスカー様の秘密に関わった時点で『眼を灼かれた』みたいなものだけど」)
(「何処に報告してるか不明だけど、今すぐどうこうって話でも無さそうね。ユリウス殿下の影響力を考えると、表沙汰にはし難いだろうし」)
(「ってか、意外とお喋りなのね。いくら妨害装置作動中で、私達になら話しても影響が薄いとは言え、そこまでブチまける普通?」)


 そこへ皇族批評なぞ馬耳東風で聞き流してたグーチェが横やりを入れる。

「ねーねー。もうメシ終わったわよね? そろそろ時間だし、くっちゃべって無いでシミュレーション室に行こう! 今すぐ!!」


 ・・・明らかに快王の試合運びを観戦する事以外は何も考えて居ない発言であった。
 とはいえ、タイミング的に最良だったのも事実なので、一同はそのままシミュレーション室へと向かう。


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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.2 )
日時: 2014/07/30(水) 06:51:30 メンテ
名前: 春休戦

〜 シミュレーション室 〜


 一同がシミュレーション室に到着するとほぼ同時に、トワイス快王も到着した。

「貴殿がトワイス快王か・・・」「君が影狼隊隊長か。噂には聞いている・・・」


 実はまだ、互いに面識の薄い2人。双方共、過程は違えど今まで培った観察力に依って、相手の品定めを行う。
 影狼隊隊長はトワイスの特任大佐、そして快王としての活動や、操兵演武大会・型の部門でのはっちゃけぶり等のデータを脳裏に浮かべ、
 快王トワイスは、目の前の男が率いる影狼隊の噂、そして彼が『休暇』と称してやらかした行動の伝聞を比較検証し始めていた。


「・・・考えても仕方ないな」「・・・言葉は不要か」

 傍から見ると一瞬、しかし彼らにとっては永い思考の末に同時に辿り着いた結論。それは・・・『手合わせすれば判る』であった。


 後はてきぱきと動く2人がシミュレーター起動&設定開始。無言の内にフィールド設定は『操兵御前試合』の闘技場に合わせられる。
 そして双方、席に着いて己の選んだ操兵のカスタムデータを入力してゆく。


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〜 シミュレーター空間内 〜


 闘技場の両端にある出入口から、各々の操兵が登場する。

 一方の出入口から現れたのは、白銀のボディを輝かせた『ロイヤルナイツ羅甲』。西洋の完全鎧を思わせる重厚な機体である。
 そもそもはアムステラ皇族直属の近衛兵団用羅甲であり、同じ羅甲でも一般兵士が搭乗するそれとは比べ物にならぬ性能を誇る。
 更にこの機体、背にはバーニアを増設しており、その見た目にも関わらず高く跳躍する等の身軽な機動も可能である。

 その武装も、儀礼的に槍を用いる事が多い通常のロイヤルナイツ羅甲とは異なり、背負った一振りのスターシルバー製大剣を扱う。
 そして良く見れば、両拳を覆う籠手も護拳の効果を持ち、繊細な指(マニピュレーター)を痛めずに格闘行動を可能とする。

(「12年前の御前試合仕様ならば、こうなる。今回はあえて『剣蛇』を使うまい。あれは私の技だからな」)


 もう一方の出入口より姿を見せたのは、黄味がかった鮮やかな赤い機体、『緋縅』。こちらは武者鎧を思わせる外観である。
 バリアを打ち破る攻撃重視の緋弓爬から派生した接近戦用操兵で、こちらは逆に対ビームコーティングを施した防御重視の装甲となっている。
(※詳しくはSS作品『金色の宇宙1.1 〜我ら竜騎兵隊〜』参照)

(「あの機体・・・もしや剣蛇対策だったのか? だがまぁ『獄』と指定されたのだし。無理に再設定して付き合わずとも良かろう」)


 緋縅の武装には、高周波サムライブレードを用いられる事が多いのだが、この機体は長く分厚い刀身を持つ直刀を背負っている。
 そして腰に差した小振りのサムライブレード。後、緋縅の両腕部には内蔵型の『鎧通し』と呼ばれるビームソードが仕込まれている。

(「さて、武器は数持てば良いというものでもないが。何を企んでいる? 直刀の方は・・・ふむ、私の大剣とリーチは同等かな」)


 双方、闘技場の中央まで歩み寄り一礼。そして同時に背の武器を抜き放つ。


 白のロイヤルナイツ羅甲は、両手で握った大剣の柄を頭上に掲げ、切っ先を斜めに大地に向けた攻防一体の構えを取る。
 緋色の緋縅も、両手で握った直刀の柄を頭上に掲げ、切っ先を斜めに大地に向けた攻防一体の構えを取る。

(「奥義の発動条件一、この奥義(『獄』)を使用する時は一対一である事。条件達成済」)
(「条件二、この奥義を見せるのはその星の大将級相手に限定する事。手合わせなので少々眼を瞑る。条件達成済み扱い」)
(「条件三、この奥義によってアムステラの武を大いに敵方に知らしめる事。『敵方に』では無いが、手合わせの目的自体がそれだ」)


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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.3 )
日時: 2014/07/30(水) 06:53:09 メンテ
名前: 春休戦

〜 シミュレーション室 〜


「よっし始まった! ・・・って、2人共あんま動かないね。快王がパパーッと倒してしまうかと思ったのに」
「まずは互いの力量を見極めてる様だな。構えた時点で既に数合の手合わせに匹敵する」


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〜 シミュレーター空間内 〜


 先に仕掛けたのはロイヤルナイツ羅甲。大剣を縦横に振り回し、隙の無い動きで数手繰り出す。
 対する緋縅は受け太刀の構えで、その数手を弾き返す。

(「これは・・・なるほどな。『獄』の初手を受けぬ為の『受け太刀』という訳か」)


 ここで、先人の知識と研鑽から編み出され、今もケブレ家で磨き上げられ続ける無敵の連撃・『獄』をごく大雑把に説明してみる。
 それは敵の攻撃の出鼻を潰したら、ずっと攻撃を封じ続けて封殺するというもの。要は『初手を決めたら後はずっと俺のターン』である。

 だが逆に言えば、だ。その『初手』が決まらなければ『獄』を発動できないとも言える。


(「確かにこれも、対策と言えば対策だな。ジリ貧になるのが眼に見える消極的な策ではあるが」)

 そう。相手が受け太刀を続けるならば、ある意味その反撃を封じてると言っても良い。攻撃に転じようとするならその隙を突く。
 防御を続ける気ならば、その防御をこじ開ければ良いだけの話。

 ましてやケブレ家に伝わる『衆手活性流(しゅうじゅかっせいりゅう)』は、数多の武術を記録し、昇華する事を目的とした武術。
 たとえ使って居るのが大剣でも、刀剣術だけでは無く、槍術や格闘術などの精髄をもミックスした攻撃で防御を揺さぶれるのである。


 数合交える間にそこまで判断したトワイスが、大剣で防御を切り崩そうとした瞬間!


 ギ ィ ン !!


 守りに徹していた直刀が、大剣の攻撃を迎え撃つ様に動いて、互いの刃が噛み合った!

 互いに攻撃を弾かれるが、流石に達人同士。体勢を崩す事も無く次の一手を…


 ギ ィ ン !!


 直刀が、大剣の攻撃を迎え撃つ様に動いて、再び互いの刃が噛み合った!

 互いに攻撃を弾かれるが、流石に達人同士。体勢を崩す事も無く更に次の一手を…


 ギ ィ ン !!


 直刀が、大剣の攻撃を迎え撃つ様に動いて、みたび互いの刃が噛み合った!


(「 ま さ か ・・・ ま さ か ! ま さ か ぁ !! こ れ は 『 鏡 獄 』 の 型 っ !! 」)

「『刀剣相殺』九九・八十一手。快王にどこまで通じるか、試させて貰おう」


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〜 シミュレーション室 〜


 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!


「な、何だぁこれ・・・合わせ鏡でも見てンのかこりゃあよぉ・・・」
「互いに最速の封じ手を繰り出して居るのか・・・ここまで同時に放ち続ける光景を見たのは初めてだが」


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 この合わせ鏡の様な状況。『刀剣相殺』九九・八十一手とは如何なる技か。
 それは敵の攻撃の出鼻を挫き、封殺するという剣技。敵の動きに合わせて攻撃を封じ、その攻撃によって敵が繰り出す次の手も限定する。
 刀剣同士による戦闘限定の奥義ではあるが、これも『獄』と同じ性質を持つ技と言える。

 だが、『獄』への対策を含めて日々研鑽を続けているトワイス。実はこの対策自体は既に知って居た。
 それが『獄』をもって相手の『獄』の初手を相殺する、『鏡獄』の型である。

 とはいえ、本来ケブレ家の奥義である『獄』を使えるのは一族の者のみであり、それ故にトワイスもこれは計算に入れて居なかった。


(「私の武器を指定する事で、『鏡獄』の型を成立させるとは・・・いくら条件を狭めたとはいえ、大した技量だ!」)
(「そうか。それでその直刀。私の大剣とリーチは同等、だが直刀の方が軽いから、熟練度の差を引いても若干速く操れる・・・」)


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〜 シミュレーター空間内 〜


 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!


 ロイヤルナイツ羅甲の大剣と、緋縅の直刀が激しく火花を散らし合い続ける。
 硬さとしなやかさを両立したスターシルバー製の大剣も、剣身こそまだ輝いてるが、流石にうっすらと刃こぼれを見せる。
 そして肉厚な直刀とはいえ、こちらも大剣以上に刃がこぼれ、まだ眼には見えぬが刀身へも影響がありそうな感じである。


 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!


「・・・大丈夫か? もう81手を使い切るだろう?」「何、そこは工夫があってね」

 ギ ィ ン !! ( グ リ ン ッ ! ) ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!


「・・・と、まぁ。これで一手目に戻って、二周目に突入する訳だ」「なるほど」


 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!
 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !!


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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.4 )
日時: 2014/07/30(水) 06:55:44 メンテ
名前: 春休戦

〜 シミュレーション室 〜


「どんだけ相殺すりゃ気が済むんだよ、この2人。もう百回以上行ったんじゃない、これ」
「でもグーチェ、スターシルバーの大剣が相手じゃ、耐久力的に直刀の方が先に折れそうね」
「 … ム ッ ! 戦 局 が 動 い た !! 」


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〜 シミュレーター空間内 〜


 ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ギ ィ ン !! ガ ィ ン … !! 

 今までずっと相殺を続けて居た大剣と直刀。だがいきなり直刀が大きく弾かれ、右腕一本でようやく握った形になっている。
 緋縅が体勢が崩した隙に、すかさず追撃を入れようとするロイヤルナイツ羅甲・・・しかし追撃中断。大剣を立てて防御の姿勢を取る。


 シ ュ ッ ! …ガ キ ィ ン !!

 防御は間に合った。緋縅が左腕で逆手に抜き放ったサムライブレードが、ロイヤルナイツ羅甲の右脇腹を抉ろうとしていたのだ。


 シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ !
 ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン !

 間髪入れず。緋縅の右腕が、直刀を短槍の様に構え直して連続突きを入れる。
 緋縅の左腕も、サムライブレードを順手に握り直して縦横無尽に斬撃を繰り出す。

 しかしトワイスとて快王を名乗る者。その猛攻を大剣一本で悉く弾き返す。


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〜 シミュレーション室 〜


「むうっ! この技は『死亡遊戯(Chevalier du mort vivant(シュヴァリエ・ドゥ・モルトヴィヴァン))』っ!!」
「知って居るのか? 親父!」
「かつて修斗の試合で見た事がある。『Gladiator フリー競技』チャンプのレオポルド・ジェランが編み出した必殺技だ」

(※SS作品『Rコロシアム 第一試合〜剣士哀愁〜』参照)


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〜 シミュレーター空間内 〜


 影狼隊隊長が仕込んだ第三の『獄』対策。それは、一人で複数方向からの攻撃を仕掛ける事。
 無論、所詮は一人で繰り出す攻撃なのだから、生半可な技量では同時攻撃を放つ前にまとめて抑え込まれてしまう。

 そこで『刀剣相殺』のリズムを自ら崩す事で生まれる隙を攻撃の起点とし、変則二刀流からの連続攻撃を繰り出したのだ。
 それでもトワイスは、接戦での取り回しは決して良くない大剣を扱うにも関わらず、その変則二刀流の猛攻を完全に捌き切っている。


「接戦に持ち込めば武器の差で、こちらが有利と踏んだのだがな。流石は快王、これでもまだ足りないか」
「ここまでの近接間合いに入れる気は無かったが、これは私の不覚以上に君の切り替えを誉めるべきだな」


 シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ ! シ ャ ッ ! シ ュ ッ !
 ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン ! ギ ィ ン ! ガ ィ ン !


「時に、フト思ったのだが。『岩鉄』を見るに、快皇テッシン殿もこの『獄』を意識されたのかもしれんな?」
「・・・そうかもしれん。それならば光栄だ。さぞかし父も喜ぶ事だろう」


 快皇・テッシンの駆る大型操兵、岩鉄。その重厚な機体が持つ最大の特徴は3対の腕。
 その6本の腕で一対の剣、長柄棍、二面の大盾を同時に操るのである。

 確かに。2本の剣と1本の長柄棍を同時に操り、2つの盾で防御もこなす相手には、通常の『獄』を仕掛けるのは無理だろう。


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〜 シミュレーション室 〜


「・・・真似っこ隊長すっご。絶頂期の快王相手に、ここまで粘るとは予想外だわ」
「見た処、トワイス殿も合わせて居る様子だな。だが手を抜いてる訳では無く、むしろ相手の力を引き出して受け止めている感じだ」
「ってアラ? 言ってる傍から緋縅の姿勢が崩れたわね」「だぁっ! 誉めた直後にそれ?!」


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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.5 )
日時: 2014/07/30(水) 06:58:43 メンテ
名前: 春休戦

〜 シミュレーター空間内 〜


 ロイヤルナイツ羅甲が直刀の突きを真横に跳ね飛ばす。何度も繰り返された光景だが、今までと何が違う? 緋縅が大きく体勢を崩す。
 緋縅は十字架に架けられたが如く、両腕を広げてよろめいた。直刀は真横を向き、サムライブレードも横倒しになり切っ先を・・・ッ?!


 ボ シ ュ ッ !!  … カ キ ィ ィ ン !!


 横倒しになり、切っ先をロイヤルナイツ羅甲に向けたサムライブレードの刀身が、爆音と共に根元から射出された!!
 さしものトワイスも、これを咄嗟に大剣の剣腹で受けるのが精一杯。飛来した刀身は、鋭い音を立てて剣腹で弾かれた。


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〜 シミュレーション室 〜


「げぇっ! 流星刀!!」「まだだ! 攻撃が続いている!!」


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〜 シミュレーター空間内 〜


 左腕での刀身射出の反動を乗せて、右腕の直刀で横一文字にロイヤルナイツ羅甲の首を刎ねに行く緋縅。
 もう、このタイミングでは大剣の受けが間に合わない。


 ブ ォ ォ ン !! … バ キ ィ ィ ン !!


 だが、唸りを上げる直刀を迎え撃ったのは。ロイヤルナイツ羅甲がアッパーカット気味に振り上げた、籠手に包まれた左拳であった。
 直刀が首に触れるのと同時に、左顎の下側と盛り上げた左肩で一瞬、その刃を固定。そして下から突き上げた左拳で刃を打ち砕いたのだ!!

 それでも普通ならば。如何に快王の技と言えど、この直刀が持つ肉厚の刀身を拳の一撃で打ち砕くのは困難である。
 それを可能にしたのは、これまでの時点で刀身が酷使されていた事。全力で百数十回も打ち合いをやれば流石に刀身も傷むというものだ。


 直刀を折られ、振り抜いた勢いのままにグラリと前のめりになる緋縅。
 これはトワイス快王の面目躍如。予想外の攻撃(仕込み刀)を防ぎ、それに連なる致命的な連撃をも防いだのだから。・・・しかし。


「 し ま っ た !! 」 … ド ス ゥ ッ ッ !!

 見事に攻撃を凌いだと見えたトワイスが、不覚を取ったと叫ぶ。・・・何故だ?

 その答えは、ロイヤルナイツ羅甲の左手首に炸裂していた。籠手の関節部を貫いたそれは、緋縅の左足の爪先。

 緋縅はただ前のめりになったのでは無い。己の後頭部を狙う様に左足を勢い良く後ろへ振り上げ、サソリの尾を思わせる蹴りを放ったのだ!!
 この詰め将棋めいた攻撃は、直刀を折られるのも織り込み済み。続く蹴りで刃を折った左手首を壊すのも又、攻撃の一環であった。


「この蹴りはさしずめ、『逆相・縅緋脚暴(リバース・アバレッグ)』とでも言おうかな?」
「『獄』への対策、四つ目・・・『嵌め手』か。見事だ!!」

(※『アバレッグ』に関しては、SS作品『コマンタレヴ・ラプソディ』や『ギガント破壊指令 −激闘!サイボーグ編−』等を参照)


 しかし2人の攻撃はまだ続いていた。緋縅の左足が振り戻されるのと同時に、ロイヤルナイツ羅甲のバーニアが火を吹く。


 ( ゴ ウ ッ ! ) … ガ ギ ィ ィ ン ッ ッ !!


 足を振り戻しざまに緋縅が繰り出した技は。 第百二十一特殊戦略大隊所属のブニュエル、ツァラ親子が得意とする必殺の蹴り。
 機体の荷重移動の勢いを乗せて、円月の如き軌跡で敵を蹴り上げる蹴技。その名も『ジェノサイドカッター』っ!!

(※外伝SS作品『Hainuwele -楽園への行進曲-』等を参照)


 しかしロイヤルナイツ羅甲はバーニアを吹かせつつ急上昇。『ジェノサイドカッター』の痛打は浮いた下腹部を蹴り上げただけに留まる。


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〜 シミュレーション室 〜

「うそっ! 快王がダメージを受けた?!」
「しかも手首を砕かれては、大剣を使うのが困難だな。だが緋縅も、武器が鎧通しのみになった・・・のか?」


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〜 シミュレーター空間内 〜


 緋縅の頭上で、ロイヤルナイツ羅甲が大剣の剣尖を真下に向ける。右手で逆手に柄を握り、手首の折れた左腕を十字鍔に引っ掛けて保持する。


「 ヘ ル ム ク ラ ッ シ ュ ( 兜 割 り ) !! 」

 そう叫びつつ重力に任せて落下。緋縅もそのまま居たら頭蓋を割られてたろうが、流石にそこは間合いを取って避けている。

 そして大地にグサリと剣尖を刺した状態で着地し、片膝立ちの構えを取るロイヤルナイツ羅甲。


「ならばこれは、『隻腕・逆流れ』とでも言おうか? 君が間合いに入ったら斬る用意は出来ている。・・・さぁ、どう攻める?」


 ロイヤルナイツ羅甲は緋縅の方を向いて構えている。右手は柄頭を引く様に握り、左腕は十字鍔の根元に添えられている。
 柄頭を引けば、十字鍔を支点として大地に刺さった剣尖が跳ね上がり、その軌跡に入った敵を撫で斬りにするだろう。


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〜 シミュレーション室 〜


「おぉっ! やっぱ凄いね快王! あれなら片腕でも一太刀は浴びせられる!」
「でもグーチェ? いくら向きは調整できても、あれじゃ快王も動けないから不利じゃない?」
「いーや。緋縅の鎧通しのリーチじゃ届かないわよ。近付く前に斬られて終わりだって」


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* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.6 )
日時: 2014/07/30(水) 07:00:07 メンテ
名前: 春休戦

〜 シミュレーター空間内 〜


 緋縅が、両の手に握った刀の残骸を投げつける。その牽制攻撃を、軽く首を傾げるだけで避けるロイヤルナイツ羅甲。
 続けて激しい勢いで繰り出されたのは、真っ直ぐに伸ばして鎧通しを発生させた緋縅の左腕。だがっ!!


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〜 シミュレーション室 〜


「 な ん じ ゃ そ り ゃ あ ぁ ぁ !! 」
「・・・ちょっ。普通考え付かないわよそんなの・・・」
「『人間では無い』のを最大限に活かした攻撃だな・・・」


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〜 シミュレーター空間内 〜


 光る剣尖を突き出した緋縅の左腕が、しゃがんでいるロイヤルナイツ羅甲の胸元を襲う。
 本来は充分に引き付ければ緋縅の胴体諸共、叩き斬る事が出来る筈だが。この攻撃に関してはそうも行かない。何故か。

 それは緋縅が、伸ばした左腕を肩から『外して』右腕で構え、槍の様に突き出してるからである。これで大剣のリーチ外からの攻撃が可能!!


 ザ シ ュ ウ ッ ッ !! ( ヒ ュ ン ! ヒ ュ ン ! ヒ ュ ン ! ……)


 そうなると、槍の様な左腕を斬り落とすしか選択肢は無い。空間ごと裂くかの様な激しい一閃が、緋縅の左腕を叩き斬る!!
 どれほどの力と技を籠めたものか。激しい勢いで跳ね上がった大剣は、そのまま回転しながら遥か上空へと消えて行く。


 ズ ダ ン ッ !! … ガ ツ ッ !!


 緋縅がすかさず、右手の鎧通しを突き出して瞬時に踏み込む。その動き、中国拳法の『箭疾歩(せんしっぽ)』を思わせる迅速な突進技!!
 ロイヤルナイツ羅甲は、手首が折れた左腕を前に構えて鎧通しを防ぐのと同時に、右拳を腰だめに構える。

 左腕に鎧通しを刺させて止まった処へ、右腕でストレートを放てば痛打を与えられる。普通ならそう考える。だがっ!!


 ( グ ッ … )ド ン ッ !! ゴ ガ ッ ッ !!


 『箭疾歩』すら囮であった。既に鎧通しは引っ込んで居り、折れた左腕にカチ当たった右拳は上方へと滑る。
 そのまま緋縅の身体はロイヤルナイツ羅甲の懐に滑り込み、折り曲げた右腕が新たな凶器、右肘となって下から鳩尾を狙う。
 攻防もままならぬ密着距離で撃ち込まれるは、中国拳法の『裡門頂肘(りもんちょうちゅう) 』を思わせる苛烈な突進技!!

 そう。一流と呼ばれる格闘家や操兵戦闘の達人でも、この攻撃への対応は難しかろう。しかし・・・相手は『快王』であった。


 ロイヤルナイツ羅甲は、右足を半歩前に進める。
 腰だめに構えた右拳を、捻りを加えながらスッと前に突き出す。
 右腕で緋縅の右肘の勢いを逸らしつつ、逆に相手の脇腹へと右拳を叩き込む!!


 中国拳法で言う処の『崩拳(ぽんけん)』である。


 これには堪らず、緋縅がその場でよろめく。同時にロイヤルナイツ羅甲は上空へとジャンプ!


 空中で、まだ回転しながら浮いていた大剣の柄を掴む。
 右肩に大剣を担ぎ、肩口に十字鍔を押し当てて刃の向きを保持する。
 背中のバーニアを吹かせて、空中で激しい勢いの前方回転を繰り出す。


「 ク ラ ッ シ ュ ソ ー ド !! 」 ズ バ シ ュ ウ ゥ ゥ ッ !!


 中空での回転の勢いが乗ったスターシルバーの刃は、そのまま緋縅を袈裟掛けに叩き斬ったのである。


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〜 シミュレーション室 〜


 交戦の余韻が残る室内へと、トワイスと影長が操縦席から降りて戻って来た。
 お互い、にこやかな雰囲気で歩み寄って、握手を交わす。


「生身では出来ない手も使わせて貰ったが、見切られてしまったな。流石は快王」
「何、私とてそれは同様。バーニアジャンプや、今回は出してないが『剣蛇』とて生身では使えない技だからね」
「ともあれ、手合わせして貰って感謝する」
「それは私もだ。お陰で更なる研鑽への道も見えて来た」


 互いに(シミュレーター越しとはいえ)剣を交えた結果。理屈では無く、感覚で相手を理解して居た。

 トワイスは、影狼隊隊長が持ち掛けた今回の手合わせが、確かに打算も何も無い、純粋に武術家としての勝負だと悟って居た。
 そして彼の、特務部隊の長に似合わぬ程の、ある種の率直さも感じ取っては居た・・・。

(「だが、だがな? あの『休暇』とかはやり過ぎだろう?! もし直接の部下だったら、始末書の山をくれてやる処だぞ!!」)

 ・・・そう。理解できたからって、納得できない事は世の中ナンボでもある。


「おーい! トワイス快王に真似っこ隊長! 今度はあたしにも稽古付けてくんない?」
「・・・おっ。ちょい小遣い増やしてーから賭けねぇか?」
「止めとけよオッサン。俺が荒稼ぎした所為だから気の毒にも思うけどさ、小遣い減ってんの自業自得だろ?」


(「・・・あー、まぁ後にするか。この状況が落ち着いたら、彼に一言、釘を刺しておくとしよう」)



THIS EPISODE END BUT・・・GO TO "怪傑ミルットの挑戦"
* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.7 )
日時: 2014/07/30(水) 07:09:17 メンテ
名前: 春休戦

もう試合描写に力が入りすぎて、後はあっさり目になっちゃいました。(^ー^;

しかしまー、良い勝負になったんじゃなかろかと。
快王には多少のハンデを付けさせて貰いましたが、それでもここまでやるの大変だったし。(w

ともあれまずは一旦の終劇、そしてフィールさんのエピへと雪崩れこみさせて頂きます。
* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.8 )
日時: 2014/07/30(水) 19:14:19 メンテ
名前: フィール

獄の破り方、鏡写しの最善の動きで封じる、その発想はあったけど
どうやってその手を実現するかの発想は無かった!

かげちょさんは間もなく怪傑ミルット本編にも登場です
かげちょさんゲスト出演の怪傑ミルットの挑戦もよろしくね!(宣伝)
休暇シリーズお疲れ様でした。
* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.9 )
日時: 2014/07/30(水) 22:18:16 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

おぉー!何と言う激戦!!素晴らしい勝負でした!!!
死亡遊戯(Chevalier du mort vivant(シュヴァリエ・ドゥ・モルトヴィヴァン))』とか
逆相・縅緋脚暴(リバース・アバレッグ)』とか色んな技出てくるし、最後の最後まで勝負が読めない名勝負でした!!

あと、バトゥロがユリウス様の事を聞いているのも印象的でした。だなぁ、地球出身だから気になるよなぁ。
答えも危うさを持ったモノだったのも印象的。この事柄が一体どう繋がるのか・・?

何はともあれ、休暇シリーズお疲れ様でした!面白かったですー!!
* Re: 影狼隊徒然記【隊長の優雅な休暇】その10 ( No.10 )
日時: 2014/07/31(木) 21:02:12 メンテ
名前: 春休戦

乙ありで御座いますー。少々長めにお送りした、休(む)暇(は無い)シリーズもこれにて決着。(^^)

>獄の破り方
古龍先生の『辺城浪子』って小説で、居合が得意な主人公の一人を相手に、剣を抜かせぬ様に猛攻を仕掛けるってのがあったのです。
技名はうろ覚えなんで別のと混ぜちゃいましたが、まーそういう下地はありました。同じく発想のあろう複数アタックもね。(^^)
逆に、実はミルットから逆輸入でラストの箭疾歩〜裡門頂肘コンボを頂いてたり。(www
(最後の展開はいくつか候補があって、絞るのに苦労してたんですが、お陰様できっちり嵌りました)

>多彩な技
ここはまー、お互いの特性もありますんで流れで可能な限り、色々とぶっ込んでみました。(www
上記の通り『死亡遊戯』とかも、ただ二刀流だけじゃ勿体無いので使わせて頂きました〜。

>ユリウス様感想
実は『SRC毘沙門』でもオスカー伯爵相手にぶっちゃけトークしてますしね影長。(www
「下手に伝えるとユリウス様が関係者皆殺しそうだから、処置はそっちに任せた」的な。
とか言いつつ、デーニッツ側の事情もそれなりには把握してた風でもあり何とも言えない。

何やかや言って、ハッタリこそかますものの割と率直で融通が利くタイプだとは思うのですよね隊長。
むしろ変に融通が利き過ぎる位な?だからバトゥロやリノア相手にはかなり率直にこんな話するだろうと。
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