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* 南極女子高生二話

日時: 2013/12/19(木) 19:21:35 メンテ
名前: フィール

寒い、寒いぜ、寒くて死ぬぜ。
 
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* Re: 南極女子高生二話 ( No.1 )
日時: 2013/12/19(木) 19:23:13 メンテ
名前: フィール

【妹】

ドランジョにとって幸運だったのはジェット機突撃の瞬間、トイレにいた事だ。
おかげでジェット機の直撃時のダメージは9割トイレの壁と水タンクで軽減された。

「にしても、どこまで滑っていくんだろうねえ〜」

ドランジョにとって不運だったのもまたトイレに腰かけていた事だった。
基地爆発の衝撃を受け止めたトイレは粉砕され、現在彼女はトイレ本体から引き剥がされた
便座をソリ代わりして南極の大地を滑っていた。凍った大地と便座の摩擦はゼロに近く
一向に減速の気配が無い。基地が遠ざかっていくし、だんだん寒くなってきたが、
推定時速50キロ以上の便座から降りる勇気はドランジョには無かった。

「降りれば大怪我、降りなきゃ基地から離れていく、どうすりゃいいのさ」

どんどん冷えていく肉体、ドランジョは南極基地のお風呂が恋しかった。
このまま滑っていく先にホカホカの露天風呂があったらいいなーとさえ思えてきた。
すると目の前に湯気立つ大きな泉が見えてきた。泉の中心には頭にタオルをのせ
裸でくつろく女までいる。南極に露天風呂、ありえない上に都合がよすぎる。

「あああ、とうとう幻覚まで見えてきたよ。こりゃあ、あたしも長くないかもねえ」


◇◇◇

「しゅっぱーつしんこー!さあ私に続けブラッククロス!
たらっこ、右乳首が落ちた!そっひお、倉庫の目覚めー!」
「アーラホイサッサーい!」
「なんでこの子に仕切られてるんやろな。そんでこの変な歌はなんやねん」
「ウチのアニキが出撃前に良く口ずさんでる勇気出る歌だよ!右乳首がとれてるよー!」

エリカを先頭に南極探検スパロボ調査団(現在団員3名)が走り出す。
目指すはドランジョ、方角は滑っていった跡が教えてくれている。
防寒具に身を包み走る事数分、すぐに目標は発見された。
だが、目の前の光景にボヤッキューとコンジュラーは唖然とする。

「これってお風呂、ですよね〜」
「さいでんな」
「よーしお前ら五秒後ろ向けーい」

言われるがままブラッククロスの二人が後ろを向くとスポポーンと音がしてエリカの服が舞う。

「振り返ってよーし、じゃ、行ってきまっす!」

振り返ると既に風呂の中だった。救助の為に持ってきたロープを二人に手渡し、
あっという間に泳いでいく。

「決断早いわね〜、このお風呂危険じゃないかとかそういう躊躇なしで飛び込むとか普通できないですよ」
「でもその決断力が有難いでんな、ドランジョはん多分半裸やし女手があって良かったでんなあ」
「ドランジョさん遭難の原因もあの子ですけどねー。おっ、ロープがビンビン来てますよー!」

合図を受け取った二人はロープを急いで引っ張り上げる。溺れた人間は重いとはよく聞くが、
普段仕事で腰の抜けたドランジョを背負って逃げる時の倍以上に重さを感じる。

「これ一人分の重量でっか?」
「僕ちゃんも気になってたのよソレ。ドランジョさん太ったかしらん?」

やがて見えてくる女子達の頭。先頭は救助に行ったエリカ。そのすぐ後ろにロープを掴んで
片手平泳ぎで追従するドランジョ。それに背負われる形で三人目の女。
頭にはでっかいタンコブが膨らみ、頭上で星とかちっさい天使とかがぐるぐる回っている。

「どういう事ですかー!」
「ドランジョはん、その人誰でっかー?」
「あたしだって知らないよー、っていうかこの女の子の方は誰?」
「初めましてドランジョさん!貴女を助けたのは私です!貴女をぶっとばしたのも私です!
そしてスパロボ探索メンバーがさらに一人増えたよ!やったねこれで五人!同好会から部活にレベルアップだ!」

エリカは上機嫌だが、南極ドロボー一味は脳の処理量を限界突破していた。
ドランジョと一緒に見つかったこの女は誰なのか。この露天風呂は何なのか。
どういう経緯で露天風呂に浸かっていたのか。
何で気絶しているのか。

「あたしが飛び込んで来た時に便座の角がこの人の額に直撃してねえ、
仮面が無ければエライ事なってる所だったよ」

気絶の理由は判明した。新な謎が増えた。

「仮面?」
「ああ、遠目には頭にタオル乗っけてると思ったんだけどホラ」

脱ぎ捨てたエリカの服の上に女性を寝かせて顔を上に向かせると確かに仮面を装着していた。
マッスルドッキングをくらった直後のネプチューンマスクばりにヒビの入った仮面をつけた女。
読者諸君はこれが誰かもうお分かりだろう、だが、南極に居る四人には初対面の全く知らない人である。

「取りあえず…基地(跡地)に戻りまへんか?まだ寒さしのげるぐらいには原型残っとるし」
「ここよりはマシですねえ〜。先の事はそれから考えますか」
「よっし、それじゃあスパロボ探索隊も揃った事だし一時帰還ー!」
「ねえ、何でこのお嬢ちゃんが仕切ってるんだい?」
「気にしたらあきまへん」

そういう事になった。

◇◇◇
* Re: 南極女子高生二話 ( No.2 )
日時: 2013/12/19(木) 19:24:17 メンテ
名前: フィール

【兄】

当然の事ながら、軍人たるもの通常任務時の軍服や私服では機動マシンに乗ってはならない。
だからって全裸で乗り込めと言う事でもない。
緊急でない限りはパイロットスーツとその他の準備は必要だ。

「入るぞ」

ノックしてから更衣室に入ると既にムッターの他に三名のパイロットが着替えをしていた。
隣り合った男子二名と隅っこで困惑しながら着替えしようか躊躇する女子一名。

「君、女子は反対側」
「あっ、ハイ。やっぱそうだったでアリマスか。
あの人達についていったけどなんかおかしいなーと思ったのでアリマス。
それでは失礼するでアリマス!」

ムッターの知らない若い女性兵だった。
成程、あの二人の事を勘違いした新兵かと彼は納得し原因に声をかける。

「おいお前ら」

振り返る男子二名。彼らの顔には女性風のメイクがバッチリと描かれていた。
しかもそろって若く美形だから二人の顔を知らない女性兵が間違えたのも仕方ない。

「ヘンリ〜〜〜っ、今日はお前まで化粧してるのか可愛いなあコラ!」
「勘弁してください。スコット先輩に待機中に無理やりさせられたんです。もう落としますよ」
「ええー、勿体ないわねー」

英国名物オネエパイロット、スコット・ランドー。
そして彼を抑えて『女装が似合うパイロットランキング(英国芸能調査)』で堂々一位となったのが
このヘンリー=ウィリアム=クレイトン。そしてこの二人は英国の空と陸のスーパーロボット乗りである。

解説しよう。『女装が似合うパイロットランキング(英国芸能調査)』とはその名の通り
ゴシップ誌が超テキトーにアンケートを取り、票数を十倍ぐらい水増しして掲載したランキングである。
順位とコメントは以下の様になっている。
1位ヘンリー (文句なし堂々一位!ぜひ女装して出撃してもらいたい!)
2位スコット(女性と間違えて胸があると錯覚するほど!)
3位シメオン(意外な健闘!美肌・美脚・美声が揃っている点が高評価)
4位レイ(アメリカで調査したら優勝していたかも知れない、調査範囲がネックとなった)
5位サンジェルマン(幼少時の写真が見つかった事でこの順位に!)
6位フェミリア(20数年世界を騙してきたのはすごい!)
7位シン(女装がというより、女装含め女子にオモチャにされるシチュエーションが似合いそう)
8位アンドレ(もう皆彼の厚化粧に慣れてしまったのか思ったより伸びず)
9位カリーム(ヘンリーとセットでの女装に期待する特殊な層の票が集まった)
10位カマロカ(カマ子ヤンデレ可愛い!)

この記事が掲載された次の日、6位と10位が「なんで女装ランキングに私が入っとるんじゃボケー!」と
ブチ切れた為、彼女らがコネをフル活用して記者を追い込んだ。以来、記者の行方は分からない。

閑話休題。


「ヘンリー、スコット、パイロットスーツの確認は入念にな」
「分かっております」
「了解っ」

ヘンリーのウインドスラッシャー、スコットのオブシダン、そしてムッターのアースクラッシャー。
この三機のパイロットが戦闘中に負うGは他のマシンの比ではない。
パイロットスーツの綻びが原因で加速中に内臓が圧迫されて致命傷となる事もありうる。

パイロットスーツに異常がない事を確認し、手早く着替えるとムッターは脱いだ服のポケットを漁る。

「…む」

数度ポケットをかき回すが目当てのモノが出てこない。妹の心配に気が回ってしまい、
持ってくるのを忘れてしまったのだと気づいた。
それと同時に、スコットから口紅が二本渡された。

「ムッター大尉、これ使って下さい」
「いいのか?」
「予備を持ってますので」
「悪いな」

ムッターはスコットの化粧を咎めない。ムッターもまた化粧をする側だからだ。
最も、二人のする化粧はだいぶ趣が違うが。

「The Southern cross is twinkling and watching us
Far beyond, so far away from us」

鼻歌を歌いながらワインレッドの口紅を顔中に塗りたくっていく。

「The Southern Cross is a holy light.
We are the crusaders of the Southern Cross」

指で口紅を均一に伸ばし、仕上げにダーク系の口紅で目の下からラインを作る。
最後にウエットティッシュで指の汚れを拭き取りメイク完成。

「よし、と」

手鏡には戦化粧の済んだ一人の修羅が映っていた。
それと時を同じくしてスコットのメイク直しも終了。

「二人とも相変わらず早いですね。僕がメイク落としで顔を拭いてる間に終わるなんて」

感心するヘンリー。超音速の貴公子もメイクのスピードは人並みだった。

「こんなの練習すれば誰でもこれぐらいにはなる。お前もやって見るか?気合いの入り方が違うぞ」
「そうねえ、ヘンリー君ならぜっったいに似合うもん。私が色々教えてあ・げ・る」
「あ!着替えたから早くウインドスラッシャーに乗り込まないと」

逃げるようにヘンリーは出ていった。

「お前が女の化粧なんて勧めるから」
「いや、戦化粧が原因でしょう」
「それじゃあ行くか」
「はいな」

それぞれのスーパーロボットに向かうとオペレーターからの通信が聞こえてきた。

「皆さん聞こえますか?」
「ああ、現状を頼む」
「敵上空から多数接近、ですがこちらのレンジギリギリを行ったり来たりを繰り返し
その目的は不明です。ですがこのパターンは…」
「キャノンショルダーも役に立たんか…。かと言ってヘンリーを突っこませても
ミサイルが無くなった所を包囲されたらアウト。
敵さんやっぱりこっちの出来る事と出来ない事を熟知してやがるな」

英国名物ブリティッシュ・ウォール。キャノンショルダーを壁の如く配置して敵を叩く防衛戦術。
だがこの戦術は地上の敵もしくは降下中の敵にしか完全な力を発揮しない。
と、なれば敵の取りうる最善手は飛行型で上空を取りひたすら対地爆撃…ではない。
爆撃機の十や二十、ウインドスラッシャーのいい的でしかないからだ。

ならばどうするか、アムステラ側の答えがこれである。
英国攻めを繰り返し戦術をほぼ完成の形にまで持って行ったのがこの空戦機での待ちの戦術。
ウインドスラッシャーを突出させ分断に成功さえすれば爆撃し放題。単純だが理に適っている。
アースクラッシャーが完成する前に似たような手をくらって結構シャレにならない被害を受けた事もある。
その時と今の所は同じ展開だ。


「ヘンリー、分かってるよな?」
「大丈夫です、相手は僕を孤立させたいんでしょ?」
「そうだ、そしてその為の俺とアースクラッシャーだ。スコットは地上からの敵を警戒、
ヘンリーは俺の合図で敵に切り込んでくれ」
「オッケー、お二人さん空の事は頼みましたよ」
「了解、では大尉の合図、もしくは敵が突入するまでは僕は待機します」

高すぎるスペックゆえに連携を取りづらい孤高の天才、時代遅れになりつつある防御陣形、
まだ戦力として未知数の部分が多い地上型スーパーロボット、
それらの間に立ち戦力を上手く回すのがムッターのそしてアースクラッシャーの仕事である。

ムッターは通信マイクのボリュームを下げ、サブモニターの電源を入れる。
モニターに可愛らしいネコ耳少女のアバターが出現しムッターに声をかけてくる。

「ニャーン!初めての戦闘だけど頑張るのー!ヘルパーをよろしくだニャ!」
「ああ、たよりにしてるぞヘルパー」

ヘルパーシステム、通称ヘルパー。にゃんガールズのお気に入りの方をモデルにムッター自身が
デザインした戦場のおおまかな様子を伝える人口知能である。

「さっそくだが戦場検索機能を使ってくれ」
「はいニャ!対象は上空のアムステラかニャ?」
「ああ」
「じゃあ検索スタート!」

過去のアムステラとの戦闘記録と照合し敵の中に『異名持ち』がいないかを識別していく。
エースというものの存在は戦況を一変する。例えば相手がヘンリー対策にこういう作戦を取る様に。

「検索結果、過去のハイレア級以上と特徴の一致する機体はいませんでしたニャ。
レア級がチラホラ、後はハイノーマル級だニャー。…あ」
「どうしたヘルパー?」

空中で待機中の斬空と空戦装備羅甲の中、一機だけ異質の存在感を放つものがいた。

「ニャんか過去のデータにニャいというか、空中にいるハズのニャいのがいるニャ。分かりますかニャ?」

重装羅甲、両肩がミサイルポッドと一体化したタイプであり、その名の通りごっつい重い。
それがフライトユニットで無理やり浮いていた。降下後の事を考えると多少やっかいだが、
これが地上に降りられるとでもいうのだろうか。それともこのまま空戦をするのか、アレで。

「今回の目玉かただのバカかは分からんが、何かするまであれは後回しにしよう。
では、待ちの体勢でウインドスラッシャーを釣り出したい奴らを一泡吹かせてやるか!」

指揮棒を手にした音楽家の如く、戦場を冷静に見渡したアースクラッシャーは飛行形態になり
ゆっくりと敵に近づいていった。

(続く)
* Re: 南極女子高生二話 ( No.3 )
日時: 2013/12/19(木) 19:31:48 メンテ
名前: フィール

今回はここまで、次回アースクラッシャーの活躍と南極ロボ探索開始。
仮面の女…一体何者なんだ。
* Re: 南極女子高生二話 ( No.4 )
日時: 2013/12/19(木) 23:32:25 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://www.pixiv.net/member.php?id=7098022

エリカ簡単に描写されたけど、5秒で全裸になれるのか・・!つか南極で全裸かw
全裸リストのミューもいくら温泉があるとはいえ、南極で全裸にはなるまいww

「マッスルドッキングをくらった直後のネプチューンマスクばりにヒビの入った仮面」と言う解り易さに吹きましたww
モ・モンゴルマンの攻撃を仮面で喰らってエネルギーを吸収するんだァー!?www彼女との絡み、次回楽しみですね!!

にしても、スコット・ランドーが出て来るとは驚いたなぁ〜!
マンガでオブシダンがちょこっと出たけど、パイロットはまだでしたモノね。
彼女・・じゃないや、彼の活躍も楽しみです♪

あと、ヘンリーの女装つか、ヘレンちゃんも吹きましたwwそりゃ女装似合うわなwww
* Re: 南極女子高生二話 ( No.5 )
日時: 2013/12/20(金) 19:30:03 メンテ
名前: 春休戦

まず英国ゴシップ誌・・・いや色々と言いたいことはあるが!特に見逃せない数点をピックアップ!
・・・執筆者連中はもう、冥土逝きって気もするけれどさ。

3位シメオン
待てえぇぇ〜い!お前はB専か?縦横比を1:1から2:1にでもすりゃまだ許す。

5位サンジェルマン
いやいやいや。今はオジサマだろ?でもま、『フランスの英雄』って肩書きで腐女子人気も
GET出来そうな雰囲気があると言えば判らんでもない・・・か?

6位フェミリア
ある意味、本人も騙されてた口だから「騙していた」扱いは気の毒かも。

10位カマロカ
・・・うぉい。妙齢の女性捕まえて男扱いしたらそら切れるの当たり前だわ。(w


そしてエリカは相変わらずか!バ替歌も披露する辺りでムッターの日常も目に浮かぶ
・・・妹さんの扱いには日々、苦労してそうですねムッター。(^^;

今回はその苦労人ムッターの乗機・アースクラッシャー登場!これもウインドスラッシャーと同じく
可変機だったのかー。ネーミング的にWSの対地型兄弟機みたいな雰囲気ですが・・・その活躍も期待だ。(^^
* Re: 南極女子高生二話 ( No.6 )
日時: 2013/12/30(月) 12:27:13 メンテ
名前: フィール

コメありがとです〜

>ねぷ仮面
次回もっと凄い事になるよ!!

>エリカバカ
これが、これが『三位』

では次回!
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