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* フェミリアさんとニッポンポン第四話

日時: 2013/02/25(月) 13:02:06 メンテ
名前: フィール

お待たせしました。
特訓が終わり第一話の時間へと戻ってきます。
 
Page: [1]
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.1 )
日時: 2013/02/25(月) 13:03:15 メンテ
名前: フィール

【裏取引、その後に】

「さてと…」

KGF及び傭兵団の代表との密談を終えた加羅は一人部屋に残り、
警戒しながら辺りを見回す。

「もう入ってきてもいいですよ先生。ここにいるのは俺だけです」

入口に向かって声を掛ける。加羅は知っていた。今日この建物に向かう時から
ずっと自分を追う人物がいる事を。そしてそれが誰なのか何が目的なのかも分かっていた。
声を掛けてから数秒、黒い眼帯をしたスキンヘッドの男が入って来る。
日本防衛軍一等陸佐、大蛇毒砲。軍での階級こそ同等だが、加羅とは師弟の関係にある人物である。

「なんでぇ、オイラがつけてたの気づいてたのかよ」
「俺を不審に思った軍が監視役を付けるとしたら、それはもしもの時に俺を確実に
止められる人でないとならない。日本防衛軍のトップ連中を除けば必然的に大蛇先生になります」
「てぇ事はだ、オイラが何しにきたかも分かってるよなあ?」

残像を残し毒砲が消失する。身をかがめ突進し、一瞬で打撃の間合いに踏み込んでいた。

「セイッ!」

ぎゅど、と加羅の胸元で拳がねじ込まれる音が響く。菩薩拳、数十年に渡り拳を握り続けた
毒砲が習得した気配の無い正拳突き。
この拳の回避は困難を極め、事実、加羅の胸部中央に渾身の一撃がヒットしていた。

「…こう来るのは分かっていました。避けれない事も」
「ああ、そうかい」

大蛇流五段加羅健一は毒砲との百回を超える組手を通して知っていた。
毒砲が相手を測ろうとする時はまずこの菩薩の拳が来る事、そして自分との身長差や
過去に受けた攻撃からほぼ確実に心臓の辺りを狙って来る事を。

「避けれないならば…防ぐまでの事!」

ボコォ!
大胸筋がバンプアップされ毒砲の拳が弾き返される。
避けれずとも攻撃の箇所を読む事に成功していた加羅はプロレスラーが使う『受けの覚悟』と
空手の呼吸法による肉体の瞬間的強化で毒砲の一撃を軽減していた。

(蛇輪だったらこれで終わっていた…だがっ、読み勝った!!)

加羅は菩薩拳の弱点を二つ知っていた。その一つがこれ、必殺性の低さである。
菩薩拳はその名の通り、菩薩の如き握りによって放たれる技。
毒砲の得意とする手先の創意によって引き起こされる人体破壊技から比べると
どうしても純粋の威力では見劣りする。

無論完全に無効化した訳では無いし常人なら即KOの一撃である。
胸骨は痛み、口内に登ってきた血の味がダメージを実感させる。
だが、戦闘態勢を維持したまま初撃をやり過ごす事に成功。
毒砲が拳を引くより早く加羅の両腕が毒砲のベルトに伸びた。

(菩薩拳の弱点その二…、破壊の拳法との相性の悪さ!)

完全に殺意を消す事で発動する菩薩拳。効率的な人体破壊が本流の大蛇流とは真逆の技であり
それ故にヒット後の連続技に乏しい。無意の一撃を受けた相手は『通常ならば』吹き飛ぶか
数瞬意識が飛ぶのでその間に破壊の握りへとスイッチするのは容易い。
だが、今回の様に菩薩拳というカードそのものを知られた上で肉体で止められた場合は…、
こうして一手遅れる!!

掴まれた、毒砲がそう感じたと同時に浮遊感。
加羅は毒砲を抱えた状態で身体を後方へ反らせながら大きく跳躍していた。

「ウルトラバックドロップ!!」
「ッ〜〜〜〜!!させるかよぉ!」

毒砲はベルトごとズボンを引きちぎり、足を抜いてウルトラバックドロップから脱出。
二人は離れた位置に落下し、体勢を整え受身を取り立ち上がる。
加羅が決死の行為で掴んだ勝利のチャンスは後一歩の所でモノに出来なかった。

「くっ、もう一回やるかっ!」
「いや、もういいぜ加羅。オメエが裏切って無いのはさっきので十分分かった」
「…はあ、他に聞き出し方を知らないんですか先生」
「悪りぃな、知らねー訳じゃねえんだが、これが手っ取り早いしせっかくの機会だから
久しぶりにちょっとやりたくなった」

笑顔で拳をワキワキして見せる毒砲に加羅は苦笑を漏らす。
監視者と疑わしき者の間の緊張は消え失せ、師匠と弟子の間柄としての顔を覗かせていた。

仮に密室で何を語ったかを問いただしたとしても、毒砲にはその真偽が直ちに判断できない。
だが、口先で測れないならば拳で肉体に聞きだせばいい。
もし、加羅がアムステラかブラッククロスに通じており保身の為に行動を起こしていたのなら
毒砲の攻撃から逃亡を選ぶか武器を取り出して撃退を試みただろう。
だが加羅は道場にいた時と変わらず、武によって毒砲と対峙した。
少なくとも毒砲にとってはこの攻防で相手への信頼のラインと言うべきものが見えていた。
それは刑事が己の嗅覚を信じるが如きものだった。

「そんでここで何を話したんだ加羅?信じてやるから正直に師匠に話してくれよ」
「こうして問われたならば、隠さない方がいい話ですし正直に話ますよ」

加羅はこの密室であったことを包み隠さず語った。要約するとこうだ。

KGFは世界一の資本を持つ日本国内の民間企業だ。故に日本の本土を守る事はKGFを守る事にも繋がる。
だから傭兵達は契約を結ぶなら出来るならKGFと交渉して欲しい、日本防衛軍は傭兵と契約しない方針だ。

それと、海軍の艦隊は陸軍や空軍と違い予定外の増援が来るとフォーメーションの変更が容易ではないから
もし、海軍に傭兵やKGFが協力するのなら出来るだけ自分の『はこふぐ』の指揮下で動いてくれるとありがたい。
『はこふぐ』には人型兵器との連携を考慮した人員及び設備が搭載されているので君達にも悪い話ではないはずだ。

「と、まあこういう話をしていたわけです」
「そうか。ところでよお加羅?その条件だとKGFだけ一方的に出費し続ける形になるよな?」
「ええ。ですが岩倉博士は特に文句も言うこと無く密談は終わりましたよ。
軍との関係が良好ならそれでいいと考えたのか、傭兵に出す分程度の金なら惜しくないのか」
「あるいは、その条件でも自分が金銭的に損しない図面が頭の中にあったかだな」

岩倉博士の真意は政治的には凡人である加羅と毒砲には予想もつかない。

「まあ今回の件については『加羅は軍と民間が癒着しない様に釘を刺す為の場をセッティングしてた』
とでも伝えておくぜ。それじゃあ、邪魔したな」
「大蛇先生、そのまま帰るつもりですか?」
「ああ?…あっ」

言われてようやく毒砲は自分が下半身ブリーフ一丁な事に気づく。このまま帰れば間違いなく変質者だ。
床に落ちたズボンを確認すると見事にビリビリに破けておりとても履ける状態ではない。

「加羅よぉ、お前のズボンをくれや」
「絶対嫌です」

ぐにゃ〜〜〜〜〜〜〜と二人の間の空気が熱気で歪む。

「満月斬ッ!」
「マ・ワ・シ・ウ・ケ!!」

加羅が飛び立ちながら遠当てを撃ち込み、毒砲が腕の回転でそれを弾く。

「弟子から力づくでズボンを奪うなんてそれでも武術家かあんたはー!」
「オイラが考えた技にプロレス混ぜて別もんにしてる奴に言われたくねえぜぇー!」
「道場を出る時に『面白そうだから好きなだけ混ぜまくっていいぜ』って公認してくれたでしょうがー!」
「ここまで原型なくなるほど変わるとは思わねえだろ普通はー!」

ズボンを賭けてガチバトルが密室で再開された。

◇◇◇
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.2 )
日時: 2013/02/25(月) 13:21:15 メンテ
名前: フィール

【天才帰還】

「ただいま」
「おかえりなさい博士。随分ご機嫌ですね」
「まあな」

交渉から戻った岩倉博士を出迎えた榊原(妹)は表情と声から非常にいい結果に終わった事を予感した。

「それで、銃王機は海戦で軍と連携取れる様になったんですか?」
「そっちが上手くいくのは分かっていた。だがそれ以上に嬉しい誤算があってな」
「何です?」
「うむ、外国の傭兵達が日本を守る為に出撃した場合報酬はうちが出すことになりそうだ。
名目を『KGFの防衛』とする事でな」
「あのー、それって私達の大損じゃないんですか?というか日本軍腐ってませんか?」

榊原(妹)の疑問は当然である。何で嬉しそうにこのオッサンは身銭を切ろうとしているのだろう。
もしそれで私達の給料が下がる事になったらどうしてくれよう。
そんな考えを読んでか、岩倉博士は言葉を続ける。

「心配するな。オシリスだろうがレゼルヴェだろうが彼らとの契約の10回や20回ではこの組織の
財政は揺るがん。傭兵への報酬ならお前らの給料と大して変わらんし、流石に俺相手に
粗悪品の抱合せ商売もしないだろうしな」
「ならいいんですけど、何がそんなに嬉しいんです?」
「だってな、傭兵と契約を結ぶって事はだ、奴らがいくら弾薬を消費しどれだけ機体に
ダメージを受けたかをこの目で確かめられるという事だぞ。量産機のカスタムとかDr劉の
作品の派生ものとかが俺の手に触れる機会が得られるという事になる、うちじゃあ金や技術が
いくらあってもそんなの作る暇あったらカラクリオー開発に回さなきゃならん」

そう言う岩倉博士の顔はロボット好きの少年の様に明るくキラキラしていた。

「博士は本当にスーパーロボットが好きなんですね」
「麻雀とロボット研究どっちで食っていくかフィフティフィフティで悩んだぐらいには好きだな」
「この地球5割の確率でアムステラに早期に侵略され尽くしてたんですか!?」
「いやーどうだろう、案外俺が雀ゴロやってたならアムステラも攻めてこなかったかもな」

呆れてあんぐりと口を開けながらも榊原(妹)は一理あるかもと思っていた。
アムステラの侵略目的は未だ明らかになっていないが、もし彼らに単純な支配域拡大以外の
目的があるとするならば、それは地球に何らかの価値を見出したからであり、宇宙人から見て
岩倉博士とカラクリオーこそが最も価値ある財である可能性は決して低くはない。

◇◇◇

【ステップ3:失敗点を反省した上で修正しよう】

岩倉博士が海戦を想定した演習場に着くと既に準備が整っていた。
インドから来た二人と剣王機と雀王機が昨日と同じ位置に立ち、静止している。

「よっ、待っててくれたのか貴史」
「はい、博士にも見てもらいたかったので。それじゃあ皆、始めてくれ」

水水水水水水水水水水水水水水水水水水
水水水水水水水水水ラ<ガンバレー水水
水水水水水水水水水水水水水水水水水水
水際水際水際水際水際水際水際水際水際


   しんぽっぽ
    剣 ぼいんっ
    川
P  (( ))  牌牌牌=======雀<ビット発射!


先日の動きをコピー&ペーストしたかの様な光景が司令室モニターに映される。
だが、よく見ると違う点が1箇所存在した。

「ビデオで見た時は二牌だと思ったんだが…三牌使ってるな」
「流石に気付きましたか博士。そうです、こっちの方が安定するだろうって槙絵とフェミリアが」

足の下に敷かれる三牌のビット。先日の様に踏んだ瞬間に悲鳴も上がらず、
剣王機がぶっ飛ばされる事も無かった。

「ほう。昨日より大幅に進歩してるじゃないか。貴史、牌ビットをアップで映せるか?」
「はい」

映像が拡大され剣王機の足元がアップになる。

「もうちょっと右下の方にカメラを下げてくれ、ビットの絵柄を確認したい」
「はい、ちょっと待ってください」

視点が変わっていき牌ビットの絵柄が明らかになる。
今回槙絵は麻雀牌の表になる部分を上にして飛ばしており、それは三枚とも發が描かれていた。

「成程、面子を構成させたか」
「そう…みたいですね。槙絵も演習前に僕に似たような説明をしてくれました。
イマイチ意味はわかりませんでしたが」

気づかぬ榊原に岩倉博士は説明をする。

「状況を完全に麻雀に置き換える事で脳波を安定させたんだ。
バラバラの牌二つなら踏まれるイメージが先行するが、
面子構成出来る三枚が相手の場に行くならそれは食い仕掛けだ」
「食い仕掛け、ですか」
「そうだな、今回のケースならコンビ打ちの相手にファン牌をポンさせたって所か」

姿勢を安定させたまま、剣王機は飛び回る牌ビットの上でエネルギーブレードを振ってみせる。
それは槙絵のコントロールもさることながら、シンの方も高い水準の技術を必要とする行為である。

「シンくーん、バランスは大丈夫ですかー?」

間延びしたスガタの声が飛ぶ。

「大丈夫ですよ。足の指で床を掴む様に立つ、ですよね?」
「あははー、教えたその日にスガタさんを超えられちゃうんですからー、たまったもんじゃないですよー」
「こういう基本は剣道もインド古武術も同じでしたから」

槙絵がフェミリアと組んで牌ビット安定の方法を模索していた間、シン達もただ待っていた訳ではない。
スガタの指導により、動くビットの上でのバランスを取りながらの戦闘方法を考えこの一日練習していた。

「じゃあそろそろ、例のやつを試してみるわ。シン、準備はいい?」
「ああ、あのイヤボーンパワーだな?」
「イヤボーン言うな!じゃあ崩すわよ、3、2、1」

合図と共に槙絵は安定させていたビットの制御を意図的に崩す。
それに合わせて剣王機は飛び立ち、自らの跳躍力と牌ビットからの暴走する推進力により
超スピードで水上を割るようにラクシュミーΩに向かって突進する!

「うおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

その最大速度はマッハ1.2!!地上戦での剣王機の最大速度には及ばないものの
この勢いで切りかかればラクシュミーΩはもちろんの事、大型戦艦や鉄騎蟹級以外なら
一撃で切り倒せるだろう。

…当たればの話だが。

「あー、惜しい」
「うわあああああああああ!!!!!!!!!!!!」

パシュ パシュ ドッボーン

剣王機はラクシュミーΩの左15メートル程を通過し、
水上を数回跳ねながら減速して頭から水没した。

「終了ー!回収ー!」

榊原司令が今回の演習の終了を告げ、剣王機は再びフェミリアの手で引き上げられる。
こうして、剣王機が飛び上がった場合着地点に次の牌ビットを用意する事が必要だとか、
牌ビットの暴走を利用した急加速は制御が難しいとか、そういう学習を得て二回目のテストは終了した。

そして三回、

「それじゃあ今度は牌ビット乗った状態での地上戦をやって見ようか。
シン君、スガタさんのR-5カスタムを撃破してみてくれ」
「榊原司令、地上戦だと降りて普通に戦った方がずっと楽です。降りれば槙絵も戦力として数えられるし」
「まあそうだよな」

四回、

「榊原ー、特訓の成果が着実に出てるわ!見てこのハイドロカノン!以前より燃費が2.5%良くなってるのよ!」
「君が強くなってどうするんだ。今は激しくどうでもいい。槙絵はどうなった?」
「えーとね、剣王機を運びながら次の三牌を準備するのがちょっとキツイから、
オープンリーチしても良いかって言ってきたんだけど。オープンリーチって何?」
「残念ながらそれは無理だ。そうするとおそらく数十秒しか持たない」
「ねえオープンリーチって」
「君と槙絵の本当の実力差が明らかになる行為とだけ言っておく」
「槙絵ちゃん!オープンリーチは無しで頑張りましょう!そうしましょう!」

五回、

「剣王機の水上戦闘が安定してきたところで次は雀王機を水上に立たせてみようか」
「はい、リー棒シールドでヤグラを組んでその上に乗るんでしたね」
「ああ、シールドの反発力をコントロールすれば雀王機を支えながら水上で停止出来るはずだ」
「うわああああああああああああ!!!!!!」
「今度はどうしたシン君」
「さっきシャワー浴びに行ったら中にフェミリアさんがいてっ、(ピー)が!
トンガリコーン以下のちっさい(ピー)が!」
「今日気づいたから私の勝ちですね司令、千円」
「後でな」
「俺がいつ気づくかで賭けしてたのか!?」

そして一通りの訓練が終了した時ブラッククロスが海から攻めてくる情報を入手し、
シンと槙絵とフェミリアが輸送機に乗せられ出撃したのであった。

◇◇◇
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.3 )
日時: 2013/02/25(月) 13:06:19 メンテ
名前: フィール

【間の悪すぎる男】

KGFが中国側から侵入してきたブラッククロスと衝突したその頃、
当然日本防衛軍海軍も既に現場に向かっており、空軍もまた戦闘域に向かっている…はずだった。
だが、空軍の主力は未だ日本領土を出られずにいた。

「戦闘機も陸軍の人型も未だあの敵に有効打を与えられていません!突破も無理です!」
「相手が単機かつ消極的故に被害は今の所軽微、死者も出ておりませんが…」
「海軍側に向かったカリームと隊長を呼び戻しますか?」
「KGF側から出撃したピンクの機体が一撃で倒されました!あ、あれはインド軍のスガタ元中尉では!?」
「ええい、うろたえるな貴様ら!」

ワンとエクスダー率いるブラッククロスが日本領海に侵入してきたのとほぼ同時刻、
日本軍にたった一機で挑んできたアムステラの騎士。彼たった一人に対し、
日本防衛軍は打つ手が無かった。僅かな時間の間に多彩な技を魅せ翻弄し、決して突破も離脱も許さず、
それでいて向こうからはほとんど仕掛けて来ない。

(ここが日本…カラクリオーチームの本拠地…)

そして、アムステラの騎士もまた攻めあぐねていた。
それは日本軍の守備力の厚さが原因ではない。

(カラクリオーチームは何故来ない?)

彼の目的はKGFのみ、アムステラの騎士トワイス・ケブレは真実に飢えていた。
彼の知りたい情報、この戦争はアムステラに何をもたらすのか、その変化は迎えるべきものなのか。
地球の要であるKGFとの戦いで真実に近づこうとしていた彼は思いもよらぬ展開に
この先どうしようか頭を悩ませていた。その時、通信機の着信がトワイスの耳に聞こえてきた。

「もしもーし、トワイスちゃん様聞こえてる?オレオレ、ニラーシャです。戦況はどーよ?」
「KGFの奴らが来ないんだが、本当にこの国で戦い続ければ来るんだろうな?」
「あ、やっぱ留守なんだ。さっき親父がさー、海の方にKGFが来たって
お馬鹿な事言ってたけどマジだったんだな」
「なん…だと。では私はどうすれば」
「家帰って寝るなり日本軍相手に無双するなり、トワイスちゃん様の好きにやっちゃえば
いいんじゃないですか。今から海来ても間に合いませんし」
「それはそうなんだが…私は彼らと戦いたかった訳で」
「じゃあ俺は親父のトコ向かってる空軍足止めで忙しいので」

一方的にまくし立て、地球人の協力者は通信を切ってしまった。

(向こうがKGFで私が防衛軍か、当初の案と真逆じゃないか。
というかKGFは陸戦専用の部隊じゃなかったのか!?)

この失敗の原因はブラッククロス側とトワイス側の相互の出撃タイミングの誤りにあった。
トワイスはニラーシャを通じてワンとエクスダーの出撃を知ってはいたが、
ワンとエクスダーはトワイスの日本本土への単機出撃はニラーシャから全く聞かされていなかったのである。
何故ニラーシャがそうしたかは分からない、だがこのようなチグハグな結果になった一因は間違いなく
あの男にある。

(だがニラーシャの責任追求よりもまず私の進退だ)

十二快王の一人としての立ち位置、ケブレ家の後継者としての地位、オスカー将軍の後ろ盾、
戦術の指南役という実権が無い代わりに取るべき責任も無い職務。
トワイスは自前のロイヤルナイツ機のみで動く分には割と自由だったが、こうして単機出撃して
戦果を出せず帰ると流石にオスカー将軍の目が怖い。レゼルヴェの件でも結構絞られたばかりである。

仕方ない、この戦争の正しさとカラクリオーチームの力を測る機会は次回に持ち越して、
言い訳出来る程度にもうちょっと日本軍を倒していこう。
幸いさっきKGF側から飛び込んできたピンクの機体を倒した時の反応を見るにこの戦場には
彼女以上の戦力となる相手は居ない。

「ファ〜〜〜〜〜〜」

間延びした声が戦場に響く。

「なっ!?」

トワイスが機体を飛び退かせる。その直後、さっきまで立っていた場所に
宇宙一恐ろしいヒップアタックが炸裂していた。

「この外観は確かギガント…」
「あんなむさいのとアタシのミーミーを間違えんじゃねえ!」
「す、すまない。言い間違えたのはちょっとワケありで」

不意打ちのヒップアタックしてきた巨大ロボのパイロットに何故か謝る側になっているトワイス。

黒い女だった。

黒い髪、黒い服、黒いウサミミ、きっと下着も黒だろうし、腹の中が真っ黒なのは皆が知っている。

「久しぶりにいい仕事した気分だった…、家でコタツでミカン食いながら
勉強教えた子供達がテスト用紙を持って帰るのを待ってるおねーさん、そんな気分だったんだよ…」

黒い巨大な機体に乗る女、その顔には青筋が立っていた。

「つまりだ、今日アタシの機嫌はひっじょーに悪い。お前なんてスルーして家で寝てたかったのさ。
まあ一言で言うなら…空気読めてめぇ!!こんな日にアタシに戦わせやがって!!」

その女の名は蹂躙のミミー!世界制覇を企む悪の怪人を自称する本名国籍年齢不明、性別は多分女!
今までアムステラに敵対し一応は味方なのかなって感じの彼女だが今回はかなりあからさまに
ピンチに駆けつけた助っ人ポジだった。一体彼女のこのバッドテンションの原因は一体!?
ともあれトワイスの計画は狂いっぱなしだが武人として存分な戦いを楽しむという希望だけは叶いそうである。
生還できる保証はないが。

(続く)
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.4 )
日時: 2013/02/25(月) 13:12:41 メンテ
名前: フィール

今回はここまで。
・特訓完結までの道のり
・KGFが日本海軍どころか空軍よりも先にワンに接触した理由
・雀王機の水上に浮く方法
以上でお送りしました。
KGFチームはやはり陸上がメインなので海戦出来るとしても
色々無理があるけど頑張れば条件付きで海戦向きスーパーロボット並みにいける
ぐらいのバランスを意識したらこうなりました。

次回は鉄騎上海&鉄騎蟹のターン。
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.5 )
日時: 2013/02/25(月) 23:05:39 メンテ
名前: カジワラ
参照: http://yabou-karakuri.sakura.ne.jp/src/youhei3.html

うおおお、新登場のキャラが凄ぇ!毒砲ちゃんにミミー様だァー!!
ウルトラバックドロップを気になってググってみたら、ファイトフィーバーなるゲームにたどり着きました。
そして空手健児へとたどり着きました。こ・こいつか!!<ニコ動でウルトラバックドロップ見ながら
凄いなコイツ。ウルトラバックドロップがバックドロップじゃないトコからして凄ぇ!!通常投げなのに名前叫ぶのも凄ぇ!!

これは毒砲ちゃんでもそうそうに倒せないな・・・。5段の段は伊達じゃないぜ!!

ビットの問題も上手く出来たモンだなぁ。そうか、食い仕掛けか。麻雀で解決したとは・・・!!
つかシン見ちゃったのね。シャワーでのToLOVEるとは、やっぱコイツラッキースケベ体質だぜ!www

そして、ミミー様!まさか来るとは!トワイスも運が悪いな。よりよってめちゃ機嫌悪いじゃないですかー!?
快王vsミミー様とは豪華な対戦だな。次回の鉄騎上海&鉄騎蟹のターンの一緒に楽しみにしてますー♪
* Re: フェミリアさんとニッポンポン第四話 ( No.6 )
日時: 2013/02/28(木) 07:52:14 メンテ
名前: フィール

カジワラさんコメありがとうございます。

>カラーテェー、ケンジー
はい、元ネタはそいつです。今回日本編を書くことに決めた理由の一つが
このキャラを絡ませてみたいと思ったからなんです。
>ビット問題解決
マキマキにとっては麻雀も戦闘も一緒ですからね。
麻雀による手段での解決が無事描写できて良かったです。
>ミミー様対トワイス
日本領内なのに日本軍が中々来れないケースを考えると自然のマイキャラ最大級かつ自由に動けるこいつの出番、
で、対抗して出てくるのはストーリー的にミミー様!
…あれ、今回の話はミミー様全然かんけーねーのに何でミミー様出しちゃったんだろうなー。
まあいいや、ミミー様かわいいし。

では〜
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